
子育てが落ち着いて「新しい勤め先を探している」という方もいらっしゃるのではないでしょうか? なかには、久しぶりの面接で緊張している方、どんな質問をされるのかと不安に思っている方もいると思います。そこで今回は、栄養士向けの面接対策について詳しく紹介します。面接の目的や注意点、よくある質問などをまとめて一覧リストにしました。近々面接がある方、仕事を探している方は、面接準備にご活用下さい。
仕事探しの前に考えること
まず栄養士が求められる職場について見ていきましょう。職場の候補としては、主に学校や官公庁、病院、介護施設、飲食店、食品メーカー、スポーツ関連施設、エステサロンなどが考えられます。 同じ栄養士という資格を活かすにしても、職場によって具体的な仕事内容は異なるでしょう。たとえば、学校や官公庁、病院などであれば給食や社食の献立作りが考えられます。学校と限定すれば食育についてのサポートも必要です。 また食品メーカーでの勤務となると、商品開発に携わることもあるでしょう。スポーツ関連施設やエステサロンなどであれば、ダイエット目的のお客様の栄養管理や助言などを行うこともあります。 このように、職場によって仕事内容が異なる可能性が高いため、応募する前に「自分がどういった仕事をしたいのか」「自分にはどのような仕事が向いているのか」を考えておくと仕事探しがスムーズです。
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面接の目的
次に、栄養士採用面接を行う目的について考えていきましょう。企業側は、以下のポイントを確認するため面接を実施します。
・栄養士としての知識や経験
・仕事のスキルレベル
・コミュニケーション能力
・人柄 ・社風と合っているか
どの職種でにも言える事ですが、面接では実際に働いた場合に「この人に仕事を任せても大丈夫か」を見られています。それは業務スキルだけではなく、その人の経歴や経験なども見られていると言えるでしょう。転職や退職などのキャリアチェンジは、その時になぜそのような選択をしたか、という人柄や人間性が見られることもあります。自分自身をどのように面接官に説明するのかを整理しておくとよいでしょう。
また、栄養士が特にみられるポイントは「コミュニケーションスキル」「遵法精神(ルールを守る性格)があるか」などを見られる場合が多いです。
一方で、面接は応募者側が企業をチェックする場でもあることを忘れてはいけません。
実際採用されたものの「この企業は向いていなかった」と悔やまないためにも、次のような点を確認しておきましょう。
・面接官の雰囲気
・上司と部下の関係性
・職場の雰囲気
・仕事内容
など 面接の限られた時間でしかチェックできませんが、面接会場に行くまでに職場の様子を確認し、実際に働いている方々の雰囲気を観察すると良いでしょう。
面接時に注意すべきポイント
ここからは、面接時の注意点について紹介します。ここでは、相手に好印象を与える身だしなみのほか、当日必要な持ち物などに触れていきます。また、よく聞かれる質問や、逆質問時に役立つ例文も紹介します。 面接でもっとも重要なのは、栄養士としての目標や自身の強みなどを自分の言葉で伝えることです。自分の力を発揮できるよう、しっかり準備しておきましょう。
身だしなみ
どんな仕事でも大切なことですが、栄養士という仕事は特に「清潔感」を求められます。面接時は、以下のポイントを確認してみてください。
・爪は短く整えられているか
・髪の毛は顔にかからない、またはまとめられている
・ナチュラルメイクか
・服がしわしわではないか
・靴に汚れはないか
面接に行く前に必ず見直しましょう。
持ち物
次に持ち物です。面接では荷物をチェックされるわけではありません。しかし、履歴書や職務経歴書など面接官に提出する書類をバッグにそのまま入れておくよりも、A4ファイルから取り出して提出することをおすすめします。書類がしわになったり濡れたりするると書類を管理業務の多い栄養士としての能力が疑われたり、仕事の精度を見極められたりする可能性があります。また、いつでもメモできるように筆記用具や印鑑を持っておくと安心できるでしょう さらに、ハンカチやティッシュはもちろんのこと、万一に備えてストッキングの替えを持っておくと良いでしょう。
マナー
栄養士は多くの方と会話をする仕事です。調理を行う同僚や上司にあたる医師、時にはお客様として委託の方にビジネスライクなやり取りを求められる場合もあります。そのため、社会人としてのマナーに気を付けなければなりません。社会人としてマナーにも気を付けなければなりません。基本のマナーは、まず時間です。面接会場には少なくとも10分前には到着するように、早めの行動をしましょう。
そして面接が始まるまでに、スマホはバッグにしまっておくことをおすすめします。スマホばかり見ていると、面接に集中していないように見えるためです。面接前には必ず挨拶をし、面接が始まったら言葉遣いや敬語の使い方に気を付けてください。
面接官の話を聞いて質問に答えつつ、自分の話ばかりにならないように注意することも大切です。また面接中は緊張することもありますが、笑顔も織り交ぜて対応するほうが印象は良くなるでしょう。
具体的に話す
栄養士の業務は、働く場所によって働き方や規模が様々です。面接官はプロですが、あくまでも別の会社の方になるので、あなたが経験したことを具体的に話す事でよりあなたの事を相手に伝える事ができます。
栄養士の方が面接で具体的に話すコツ
栄養士の方が面接で具体的に話すコツを紹介します。
「これまでの経験をご説明頂けますか?」や「今従事されているお仕事の詳細をお話しください」などを面接官から質問された際に説明を具体的にすることが重要です。職歴書に書いてある内容であっても、定量的な数値や具体例などを用いて話す事で相手がイメージしやすい説明となります。より分かりやすい説明をする事で栄養士として重要な説明能力や対人折衝能力をPRできます。
① 経歴を具体的に話す
「これまでの経歴(経験)を説明して下さい」と言われたときは、まずご自身の初めての勤務先から順番に説明して下さい。昔の勤務先については事細かく説明する必要はありません。何という職場で、どのような業務に従事し、どのくらいの期間在籍していたかを端的に説明しましょう。
例)「私は〇〇大学を卒業後、介護老人保健施設△△に調理業務を主に担当しながら5年強従事しました。その後□□保育所に調理責任者として3年務めました。」
② 業務内容を具体的に話す
どのような業務を行っていたのか、どの程度行っていたのかを具体的に説明しましょう。例えば「調理業務を担当していました。」と回答されても、面接官は「嚥下食の経験はどれくらいあるのだろう?」「アレルギー食の対応は?」「献立作成や発注業務はどの程度行っていたのだろう?」と疑問が膨らみます。行っていた業務を割合の多い順から説明していくと分かりやすいでしょう。
③ お客様(食数)を具体的に話す
業務内容を説明する際にお客様を定量的に説明するとより分かりやすいです。栄養指導であれば月に何名、調理であれば一日何食、献立作成は何食の現場を何件など数字で答えられると親切と言えます。
④ 職場を具体的に話す
経歴や業務内容を聞かれた時、どの立場その仕事をおこなっていたのか、どれくらいの人数が在籍している職場だったのかなどを説明すると具体的な説明になります。特に責任者として業務にあたっていたのか、部下はいたのかなどは重要なポイントになります。
例)「私が所属していた〇〇保育園には、正社員が2名、パートが4名の構成で調理を行っていました。私は在籍した最後の2年間責任者として部下指導、教育などにあたりつつ調理をおこなっていました。」
栄養士面接でよくある質問集
ここでは、栄養士面接でよく質問される内容について紹介します。
Q.志望動機は何ですか? または当社を選んだ理由は何ですか?
この質問に答えるためには、応募した会社の特徴や魅力を把握しておく必要があります。「この会社だから面接に来ました」という部分を盛り込みながら、自身の強みや経験をアピールしましょう。
たとえば、「御社の〇〇という企業理念が自身の考えと同じで……」「御社の食育への取り組みに感銘を受け、前職で培った〇〇な食育活動が活かせると思った」といった内容を盛り込むと良いでしょう。
Q.栄養士になったきっかけは?
栄養士になったきっかけに関する質問には、その人の人柄やこれまでの人生を知るという側面もあります。面接官は、人間性をチェックしたり今後の目標を確認したりするために質問してくるので、それに合った回答をするようにしましょう。
たとえば「以前体重が増えたために自己流ダイエットをしたところ体調を崩しました。栄養士に相談するうちに食事の大切さを知り、自分と同じような食事管理で困っている方のサポートをしたいと思った」などです。
Q.調理経験はありますか?(自身の強みにからめて)
質問のなかには、これまで経験しなかったことを聞かれることもあるでしょう。そういったときは「経験がないからできない」のではなく、ほかの得意分野をアピールしたり「ぜひ挑戦したい」という気持ちを伝えたりすると、向上心があると判断されやすいです。
たとえば「これまでは献立作成がメインだったため調理経験はありません。しかし調理業務は栄養士として大切なことだと考えているため、自宅では基本的に栄養バランスを考えた食事を3食調理しています」などです。
Q.将来どんな栄養士になっていたいですか?
将来の目標を語ってもらうことで、その人がどんなことに励もうと思っているのか、向上心があるのか面接官は判断しています。
介護施設の面接なら、「介護食という枠に固執せず、入居者様が楽しめるような料理を提供する栄養士になりたいです。これまで以上に栄養学の知識を深めることはもちろん介護食士の資格も勉強したいと考えています」などが理想的な回答となるでしょう。
こちらから質問するとポイントの高い逆質問集
面接の最後には「何か質問はありますか」と「逆質問」をされることも少なくありません。ここでは、好印象を与える逆質問について紹介します。
Q.栄養士として働く際、他のスタッフとの連携や協力体制はどのようになっていますか?
Q.職場でのキャリアパスや成長機会について詳しく教えてください。
Q.栄養士が中途入社して最初の6ヶ月間に達成すべき期待や目標は何ですか?
Q.栄養士が関わるプロジェクトや取り組みについて教えてください。
Q.栄養士に関する最近の成功事例や改善事例があれば教えてください。
Q.社内の栄養士に期待するリーダーシップや自主性について教えてください。
Q.栄養士の働き方やスケジュールの柔軟性について教えてください。
こういった質問をすると応募先の理解を深められ、意欲や関心が高いことをアピールできるでしょう。
Q.資格取得支援や資格保有者には手当があると聞きました。どういった内容ですか?
Q.契約職員から正社員を目指せますか?
これらの質問では、向上心の高さをアピールできます。
面接時に給与や休みなどの待遇に対して逆質問するのもOKです。しかし、待遇面の質問に偏ると「仕事への関心がないのか」と捉えられることもあるため注意しましょう。