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管理栄養士の仕事のやりがい!働く栄養士さん10人聞いてみた

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管理栄養士の仕事のやりがい!働く栄養士さん10人聞いてみた

「管理栄養士の資格を活かして、もっとやりがいのある仕事がしたい!」そんな思いを抱えながら、就職活動や転職に挑む方も多いはず。でも、実際に働いている栄養士たちは、どんな場面でやりがいを感じているのでしょうか?
今回は、現場で活躍する10人の栄養士に、リアルな体験や仕事の魅力、転職理由、面接でよく聞かれる「前職でのやりがい」についてまで幅広くインタビュー!
管理栄養士としてのキャリアに迷っているあなたの背中をそっと押してくれる内容です。

病院勤務の栄養士さんに聞く!命と向き合う現場での誇り

重篤な疾患を抱える患者さんが多い病院では、栄養管理が回復の鍵を握ります。
私が印象に残っているのは、がん治療中の方に合った食事プランを作成したとき。味覚障害や食欲低下に悩む中、「あなたの食事だけは食べられる」と笑ってくれた瞬間、涙が出るほど嬉しかったです。
食べることが生きる力になる、そんな現場で働けることに誇りを感じます。

学校給食でのやりがいとは?子どもたちの笑顔が力に

私は学校給食の調理現場で働いています。私たちの学校では、できる限り手作りにこだわっており、カレーも市販のルーを使わず、一から手作りしています。
その日は、学内の菜園で生徒たちが育てた野菜を使ってカレーを作る「食育献立」の日でした。自分たちで育てた野菜がどんなふうに料理に使われるのか、興味津々な生徒たちの表情が印象的で、食に関心を持つきっかけになってくれたようで、生徒たちがわざわざ調理室まで話を聞きにきてくれました。調理の仕方を一通り話した後、生徒たちに「今日のカレー、今までで一番美味しかった!」と笑顔で言ってもらえた瞬間は、本当にうれしいものです。
栄養や安全を守るだけでなく、子どもたちの食体験を広げられる仕事にやりがいを感じています。

高齢者施設で感じる「ありがとう」の重み

私は高齢者施設で働いているのですが、高齢者の食事は特に一人ひとりの体調や咀嚼力に配慮した食事が必要です。
ある日、誤嚥リスクの高い方のためのとろみ食の献立を工夫してリニューアルしました。喫食者のうちの一人のおじいさんがわざわざ調理室まで足を運んで下さり、「久しぶりにおいしく食べられた」と感謝されました。高齢者の方の「ありがとう」は、重みが違います。人生の終盤の食事に関わる事の出来る大切な仕事として、日々やりがいを感じています。

時短勤務で給食現場でやりがいを実感できる働き方とは?

子育て中の私は、時短勤務で学校給食の現場に携わっています。限られた時間でも、献立作成や衛生管理、アレルギー対応など幅広く関われる今の仕事が大好きです。子どもが発熱して急に休まざるを得なかったときも、仲間が温かくサポートしてくれています。
ある日の昼休憩の時の何気ない会話の中で私が「時短勤務だし、子供の理由でいつ休むか分からない状況で申し訳ない。」と調理室のメンバーに話したところ、「〇〇さんがここの栄養士さんだから仕事が楽しい!」「いつでもサポートするから自信もって子育てと調理業務を頑張って!」と励ましてもらえました。
良い方と一緒に働かせていただき、やりがいと家庭の両立が出来ています。

栄養指導をしている管理栄養士として自分の成長を実感した瞬間

私は糖尿病の患者さんを中心に栄養指導を行っています。
ある患者さんに継続して栄養指導を行っていた時、最初の半年間は結果に表れず非常に申し訳ない気持ちだったのですが、9カ月を過ぎたころに「HbA1cの数値が下がりました!」と患者さんから興奮気味に報告を受けました。その時に栄養指導をやっていて本当によかったと思いました。最初は食事制限にネガティブだった方が、「最近は工夫するのが楽しい」と言ってくれるようになり、自分の指導力の成長も感じられました。

チームの一員として感じるやりがい、調理師や未経験パートの方と協力する現場

大きな給食センターでは、栄養士だけでなく調理師さんやパートの方とも連携が不可欠です。
私が勤務して1年半くらいが経った頃に、調理師さんと調理方法について話し合いを行い、それまで手間だった揚げ物の調理方法を改良する事にしました。パートの皆さんは今までのやり方に慣れており、最初は不安そうでしたが、慣れるにつれて「こっちの方が効率的だね!」と笑顔に。チームとして同じ目標に向かって進む日々に、職種を超えた絆と、やりがいを感じます。

スポーツチームの食事管理で選手のパフォーマンスが向上!

私は私立高校の部活動専属スポーツ栄養士をしています。私の所属する学校ではバスケットボール部が特に強豪で、バスケットボール部の合宿はハードな事で有名でした。
合宿に同行する二度目のシーズンの時、「選手たちのために腹持ちがよくて身体づくりに繋がる献立にリニューアルしよう」と自主的に献立を作成しました。その年の合宿では栄養バランスとエネルギー量を高めた食事を提供できたと思います。合宿の終盤の食後に「お腹がすかないから練習に集中できる!」と話す姿に手応えを感じ、バスケットボール部は翌月の大会でも好成績を残す事が出来ました。保護者の方からも感謝の声を頂きました。
栄養士の力で「勝てる体づくり」が支えられるのは大きなやりがいです。

アレルギー対応の給食で、保護者から感謝の手紙が届いた

私の働く保育園には、当時重度の卵・乳製品アレルギーを持つ児童が在籍していました。その子のために毎日個別対応をしていたところ、卒園式の時にその子の母さまから「毎日安心して子どもを学校に送り出せました」とお手紙をいただきました。命を預かる責任の重さを感じ、また子どもたちの成長に貢献できているやりがいを強く感じる瞬間でした。
自身のこだわりや想いなど目に見えない努力も、ちゃんと誰かの心に届いているのだと思えた出来事です。

企業の社員食堂で“午後の集中力が違う!”と言われたレシピ改善

社食改革のプロジェクトで、脂質控えめ・たんぱく質多めのメニューを提案。総務部の方からは材料費が高くなることや、味付けが変わる事について難色を示されていましたが、私なりに高たんぱく低脂質のメリットをプレゼンしました。結果的にいくつかの新メニューが導入される事になり、導入1ヶ月後、社員から「午後の集中力が違う」とのフィードバックをもらいました。体調やパフォーマンスにもつながる食事の力を改めて実感。職場全体の雰囲気まで明るくなったようで、食を通じて働く人を支える喜びに包まれました。

災害時の炊き出しで地域住民の「ありがとう」を肌で感じた瞬間

ずいぶん昔の話ですが、阪神淡路大震災の際に給食会社に勤める私の会社が避難所で炊き出し支援を行う事になり、そこに参加しました。やきそばと具だくさん味噌汁を提供。避難所で過ごす高齢者の方に「この味噌汁が一番ほっとする」と言われ、思わず胸が熱くなりました。栄養士としての知識と経験が非常時に生かせたこと、そして人の役に立てたことに強くやりがいを感じました。

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