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マミートラックとは?悔しい思いを乗り越えるための対処法もご紹介

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マミートラックとは?悔しい思いを乗り越えるための対処法もご紹介

マミートラック」とは、出産や育児を経て社会復帰を目指す女性たちが、キャリアアップを望んでいても、非正規雇用や補助的な業務にとどまらざるを得ない状況を指す言葉です。

この記事では、マミートラックとは何か、その背景や社会構造をひも解きながら、マミートラックに対する悔しさを乗り越えるための対処法をご紹介します。

マミートラックとは?

マミートラック(mommy track)」とは、出産や育児をきっかけに、女性が職場で補助的な役割にまわったり、昇進のチャンスから遠ざけられてしまったりするなど、キャリア上の“脇道”に追いやられることを指す言葉です。

もともとは、アメリカの作家でフェミニストのフェリス・シュワルツ(Felice Schwartz)氏が提唱した概念で、キャリアを優先したい女性と、家庭と仕事の両立を望む女性の2タイプがいるとし、後者のために、育児休業などの制度を整えた“無理のない働き方”を提案しました。これが、当初の「マミートラック」の考え方でした。

しかし、現在日本では、キャリアを望む女性が、思うように働けない状況を指すネガティブな言葉として使われています。
たとえば、本人の意欲や能力とは関係なく、重要なプロジェクトから外されたり、昇進・昇給の機会が与えられなかったりと、職業的な成長を阻害されていることが少なくありません。

マミートラックは個人の意思に関係なくキャリアが制限されてしまう状態であり、キャリアを望む女性が「悔しい」と感じる大きな要因となっているのです。

能力に見合わない仕事に甘んじなければならないから

出産前は責任あるポジションで働いていたにもかかわらず、復職後は補助的な業務や雑務に回される――。
このような経験をすると、自分の努力やスキルが無視されたように感じ、悔しさが込み上げてくるでしょう。

たとえフルタイムで働けない事情があっても、能力や経験が正当に評価される機会を奪われるのは、大きな精神的負担となり、モチベーションが下がる恐れがあります。

昇進やキャリアアップの道が閉ざされるから

子育てを理由にフレキシブルな働き方を選んだ結果、正社員登用や昇進の対象外とされるケースも少なくありません。

「時短勤務だから」「急に休む可能性があるから」といった理由で、本人の意欲とは無関係にキャリアの機会が制限されるのは、不公平と感じざるを得ないものです。
自ら選んだ働き方が、キャリアの壁になるという現実に、悔しさが募るでしょう。

社会の無意識な偏見にさらされるから

「小さい子どもがいるのだから、無理はしない方が良いよ」
「家庭が第一でしょう?」
といった、一見配慮のような言葉も、当事者にとっては抑圧的に感じられることがあります。

職場での評価や期待値が下がったことを肌で感じた時、自分の存在意義に疑問を抱くようになり、「こんなはずじゃなかった…」と、悔しさにつながるのです。

マミートラックが生じる理由とは?

では、このようなマミートラックは、なぜ生じてしまうのでしょうか?

社会構造的な要因

まず、日本の社会が伝統的に、「家事や育児は女性の役割である」という固定観念が根強く残っていることが、女性社員のキャリア形成を阻害する一因となっているといえるでしょう。

加えて、男性の育児休暇取得率がまだ低く、男性の育児参加が進んでいないことも、女性に育児負担が集中する要因となっています。

また、保育園の待機児童問題をはじめ、ベビーシッターを安価で手軽に利用できる環境が整っていないなど、保育サービスが不足していることも、女性が仕事と子育てを両立する上で大きな障壁となっています。

企業側の要因

キャリアを望む女性を雇用する企業側にも要因があります。

まず、日本の企業は長時間労働を前提としており、柔軟な働き方ができない企業体質が、マミートラックの一因となっているといえます。
人事評価制度も、短期的な成果を重視するなど、育児などで時短勤務をしている社員が不利になるケースが多いでしょう。

また、管理職やリーダー層に女性を登用している企業はまだまだ少なく、ロールモデルが不足していることも大きな要因です。

悔しさを乗り越えるための3つの対処法

マミートラックに直面し、「思うように働けない」「評価されない」と感じることは、多くのワーママにとって大きなストレスです。

しかし、その悔しさを前向きな行動に変えることで、自分らしいキャリアを再構築することも可能です。

ここでは、そのための3つの具体的な対処法をご紹介します。

スキルアップと資格取得で自己価値を高める

まず取り組みたいのが、知識やスキルを磨くことです。

育児と並行して勉強するのは簡単ではありませんが、オンライン講座や通信教育、行政が提供する無料講座など、柔軟に学べる環境は増えています。

専門的なスキルや資格を身につけることで、社内での評価向上や、より責任ある仕事への配置転換につながる可能性があり、マミートラックを抜け出せる可能性がひろがります。

共感し合えるネットワークをつくる

一人で悩みを抱え込むと、孤独感や無力感が増してしまいます。
同じようにマミートラックに悩んだ経験を持つ仲間とつながることで、「自分だけじゃない」と感じられ、気持ちが楽になるでしょう。

地域の子育てサロンやキャリア支援イベント、SNSコミュニティなど、情報交換の場を積極的に活用しましょう。
悩みを共有し合える仲間の存在は、新しい働き方を模索する上で大きな支えになるはずです。

働き方を見直す

「フルタイム正社員」が必ずしも理想のかたちではありません。
パートや時短勤務、フリーランス、業務委託など、柔軟な働き方の選択肢が広がっている今、自分に合った働き方を見直すことも大切です。

また、人生100年時代を迎え、定年が延長されたり、年金制度に課題があったりする中で、職業人生が伸びる中、長い目でキャリアプランを考えることも重要です。

無理なく働ける環境を選び、やりがいを持って働くことが、悔しさから一歩抜け出すきっかけになるかもしれません。

転職も含め、現状で置かれている働く環境やキャリアプランを見直すことで、マミートラックに対する悔しさは霧消していくでしょう。

まとめ

マミートラックは、出産や育児を経て職場に復帰しようとする女性にとって、予想以上に大きな壁となることがあります。
自分の意欲や能力に反して補助的な業務にとどまらざるを得なかったり、評価の機会を得られなかったりする状況は、多くのワーママが「悔しい」と感じる原因になっています。

しかし、その悔しさは、決して無意味なものではありません。
スキルアップによる自己価値の再確認、仲間との共感を通じた心理的支援、そして柔軟な働き方の模索、これらの取り組みを通じて、キャリアの再構築は十分に可能です。

自分の選択を否定せず、自分らしい働き方を信じて前に進みましょう。

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