.png)
栄養士や管理栄養士の面接で必ず聞かれるのが「栄養士を目指したきっかけ」です。この質問は、自分の経験や価値観、栄養士という仕事への思いを伝える絶好のチャンス!ただし、面接で伝える際には「自分のストーリー」として語れるかがカギ!病気の家族を支えた経験や、子どもたちへの食育活動への憧れなど、あなたの原点を探してみましょう。
「管理栄養士になりたい」という気持ちは人それぞれ。誰かの健康を支えたい、食の楽しさを広めたい、家族の経験がきっかけだった…。実際に管理栄養士として活躍する8人に、自分のストーリーを語ってもらいました。それぞれのストーリーを読むことで、あなた自身のエピソード作りの参考にしてみてください。
目次
- Aさん:「看護師の母親から、医療現場で働く管理栄養士の仕事を教えてもらった」
- Bさん:「おばあちゃんが入院した時に病院の食事を見て、入院患者に美味しい食事を提供したいと思った」
- Cさん:「中学生の時にダイエットで体調を壊した経験から栄養学に興味をもったことがきっかけで」
- Dさん:「幼少期に母親と料理をするのが好きで、将来調理に関わる仕事に就きたいと思って」
- Eさん:「中学バレー部時代に全国大会に向けて身体づくりをしていた時、栄養学について学んだことがきっかけで」
- Fさん:「中学校の職業体験で保育園に行った時、子供たちに食育を行う体験を経たことがきっかけで」
- Gさん:「小学校で給食を作ってくれた栄養士の先生にあこがれて」
- Hさん:「病気になった叔母の健康の為に栄養学を勉強したのがきっかけで」
Aさんのストーリー:「看護師の母親から、医療現場で働く管理栄養士の仕事を教えてもらった」
Aさんは調理現場の管理栄養士として12年のキャリアを持つベテランです。彼女がこの道を選んだ理由は、看護師として医療の現場で活躍していた母親の存在でした。幼い頃から、医療の仕事に携わる母の背中を見て育ったAさんは、自然と「人の健康を支える仕事」に憧れを抱くようになったと言います。
母親からは、医療現場でのチーム医療の大切さや、管理栄養士が果たす役割について話を聞く機会も多かったそうです。「食事の管理を通じて患者さんの回復を助けたり、健康維持を支えたりする仕事があるんだよ」と母が教えてくれたことが、Aさんにとって管理栄養士という職業を知る最初のきっかけでした。
また、幼い頃、特に印象的だったのは母親が作ってくれた食事でした。「医療の知識を生かして、家族のためにバランスの取れた献立を作る姿を見て、栄養が体にも心にも大きな影響を与えることを肌で感じました」とAさんは語ります。
これらのことがきっかけで、病気の予防や健康増進における食事の重要性を学び、「食事を通じて誰かを支えられる仕事がしたい」という思いが強まっていきました。
さらに、母親の勧めで病院でのインターンシップを経験したことも大きかったと言います。「患者さんと接しながら食事指導を行う管理栄養士の姿を見て、この仕事が私の目指す道だと確信しました」とAさん。食事指導だけでなく、医療チームの一員として他の医療従事者と連携しながら患者さんの健康を支える姿に、強い感銘を受けたそうです。
このように、Aさんの動機は家庭環境や身近な影響によるものですが、彼女自身の努力や実体験によって確固たるものとなりました。
Bさんのストーリー:「おばあちゃんが入院した時に病院の食事を見て、入院患者に美味しい食事を提供したいと思った」
病院の管理栄養士として8年のキャリアを持つBさん。彼女がこの職業を志したきっかけは、おばあちゃんの入院です。「おばあちゃんが病院で入院している時に提供されていた食事があまり美味しそうに見えなかったんです」と振り返ります。
Bさんの家族はみんな食べることが好きで、家庭では手作りの美味しい料理がいつも食卓に並んでいました。そのため、病院食の地味な見た目や味気なさに驚いたそうです。「体調が悪い時こそ、美味しいものを食べて元気になれるような食事が必要なのに、これでは患者さんの食欲が湧かないのではないか」と強く感じたのです。
その後、栄養士という仕事について調べていく中で、病院食の計画や管理を行う管理栄養士の存在を知ったBさん。「栄養を考えるだけでなく、患者さんが食事を楽しみにできるような美味しい料理を作りたい」と思い、管理栄養士を目指すことを決意しました。
資格取得までの道のりは簡単ではありませんでしたが、「大好きなおばあちゃんに美味しい食事を届けたい」という思いがモチベーションになりました。そして、今では病院で働きながら、患者さん一人ひとりに寄り添った食事提供を行っています。Bさんは、「食事は心のケアにもつながるんです」と語り、日々の仕事にやりがいを感じているそうです。
Cさんのストーリー:「中学生の時にダイエットで体調を壊した経験から栄養学に興味をもったことがきっかけで」
特定栄養指導の管理栄養士として4年の経験を持つCさん。彼女が栄養士を目指したきっかけは、中学生の時のダイエット経験でした。「当時、無理なダイエットをしてしまい、食事量を極端に減らしたり、偏った食事を続けてしまったんです。その結果、体調を崩してしまい、日常生活にも支障が出ました」と振り返ります。
その時、医師や栄養士の指導を受けて、初めて「食事と健康が密接に関係している」ことに気づいたそうです。体に必要な栄養素が足りていないとどうなるのか、自分の体で体験したことで、栄養学に興味を持つようになりました。「食べることを我慢するのではなく、正しい食べ方を学ぶことが大切なんだ」と思い直したのです。
その後、高校や大学では栄養学を積極的に学び、「同じようにダイエットや健康管理で悩む人をサポートしたい」という思いが強まっていきました。特に、Cさんのような思春期の女性が無理なダイエットをしないように、正しい栄養の知識を広めたいという気持ちが原動力になったといいます。
現在、Cさんは学校や企業で栄養指導を行いながら、若い世代に向けて健康的な食生活の重要性を伝える活動を行っています。「過去の経験があるからこそ、同じ悩みを持つ人の気持ちがわかります。だからこそ、その人に合ったアドバイスを提供できるんです」と笑顔で話してくれました。
Dさんのストーリー:「幼少期に母親と料理をするのが好きで、将来調理に関わる仕事に就きたいと思って」
管理栄養士として11年のキャリアを持つDさん。彼女のきっかけは、小さい頃の母親との思い出にありました。「幼い頃、母と一緒にキッチンで料理をするのがとても楽しくて。それが私にとって、食事や調理への興味の原点でした」と語ります。
母親と作った料理は家庭の味そのもので、どれも美味しく、家族みんなが笑顔になる瞬間が大好きだったそうです。「食卓を囲む家族の笑顔を見て、料理が単なる食事以上のものであると感じました。それが、将来も食に携わる仕事をしたいと思うきっかけになりました」とDさんは振り返ります。
また、成長する中で「料理だけでなく、栄養の知識を使って人々の健康を支えたい」という気持ちが芽生えたとのこと。高校時代には家庭科の授業で栄養学に触れ、食べ物が人の体にどのような影響を与えるかに興味を持ち、管理栄養士の道を目指すようになりました。
現在、Dさんは病院で働きながら、患者さんの健康状態に合わせた食事プランを作成する業務に携わっています。「食事はただの栄養補給ではなく、心を癒し、元気をくれるもの。そういう食事を届けることが私のやりがいです」と話してくれました。
Eさんのストーリー:「中学バレー部時代に全国大会に向けて身体づくりをしていた時、栄養学について学んだことがきっかけで」
現在、スポーツ研修施設の調理場で6年のキャリアを持つEさんが管理栄養士を目指したきっかけは、中学生の頃のバレー部での経験でした。「全国大会を目指してトレーニングをしていた時、コーチが栄養の大切さを教えてくれました。それがきっかけで食事や栄養に興味を持ちました」とEさんは語ります。
特に印象に残っているのは、体調を崩しがちな選手と元気に練習を続けられる選手との違いが「食事」にあると気づいたことでした。その時、「ただ頑張るだけでなく、体をしっかり作るためには何を食べるべきか」が具体的に理解できるようになり、栄養学への興味が湧いたのだそうです。
高校や大学ではスポーツ栄養学を本格的に学び、「アスリートを食事で支えたい」という夢を持つようになりました。栄養士の資格を取得した後、現在の施設で働きながら、選手のパフォーマンスを最大限に引き出すためのメニュー開発や個別栄養指導に携わっています。「試合前に食べるべきものや、疲労回復を助ける食材についてアドバイスできることがやりがいです」と笑顔で話してくれました。
Eさんのように、身近な経験がきっかけで栄養学の道を目指す人は多いです。面接では、自分の原点となったエピソードを具体的に伝えることで、志望動機に説得力を持たせることができます。
Fさんのストーリー:「中学校の職業体験で保育園に行った時、子供たちに食育を行う体験を経たことがきっかけで」
現在、保育園の調理場で管理栄養士として3年のキャリアを持つFさん。そのきっかけは、中学生時代の職業体験でした。「保育園での体験で、子供たちに食育の授業をする先生の姿を見た時、『食事を通じて子供たちの成長を支える仕事って素敵だな』と思ったんです」と語ります。
その時、先生が子供たちに野菜の大切さや食べる楽しさを教える姿に感動したそうです。「子供たちが目を輝かせながら話を聞いているのを見て、自分もこういう形で誰かの役に立てたら嬉しいな、と思ったのが最初のきっかけでした」と振り返ります。
高校進学後、家庭科の授業や自宅での料理を通じて「食」に関する興味がさらに深まり、管理栄養士という職業に本格的に興味を持ち始めました。「子供たちが楽しく食事をして、元気に成長するサポートがしたい」という思いから、資格取得を目指したそうです。
現在、Fさんは保育園での給食管理や栄養指導に加えて、食育活動も積極的に行っています。「子供たちが新しい食材に挑戦したり、食事を楽しみにしている姿を見ると、本当にやりがいを感じます」と話してくれました。幼少期からの食育が子供たちの健康や未来に与える影響を日々実感しているそうです。
Gさんのストーリー:「小学校で給食を作ってくれた栄養士の先生にあこがれて」
現在、学校調理の管理栄養士として12年のキャリアを持つGさん。彼女のきっかけは、小学校時代の給食時間でした。「当時、栄養士の先生が授業で『給食の役割』について話してくれたんです。給食が栄養バランスだけでなく、成長を支えるために考えられていると知って、すごく感動しました」と振り返ります。
Gさんは、その先生に個別にいろいろな質問をするようになったそうです。「給食はどうやって作られているのか」「どんな工夫をしているのか」など興味津々で質問するたびに、先生は丁寧に教えてくれました。その姿に強く憧れ、「私も将来、子どもたちの成長を支える栄養士になりたい」と思うようになったそうです。
その後、進学先でも栄養士を目指すための勉強に励み、資格を取得。今では、小学生たちが安心して食べられる給食を作るだけでなく、食育活動にも積極的に携わっています。「子どもたちが『今日の給食、美味しかった!』と言ってくれる瞬間が一番のやりがいです」と笑顔で話してくれました。
Gさんは、「あの時、あの先生に出会わなければ、今の私はなかったと思います」と振り返りながら、今度は自分が子どもたちに同じ影響を与えられる存在でありたいと語ります。食を通じて成長を支えるという情熱が、日々の仕事の原動力となっているそうです。
Hさんのストーリー:「病気になった叔母の健康の為に栄養学を勉強したのがきっかけで」
介護施設で管理栄養士として7年のキャリアを持つHさん。その道を志したきっかけは、家族の一員としての経験にありました。「高校生の時、叔母が病気で入院することになり、退院後も食事に気を付ける必要があったんです。その時、母と一緒に叔母のための特別な食事を作るようになったのが始まりです」と語ります。
病気の影響で制限された食事を通じて、「栄養素の重要性や、食べ物が体に与える影響」を実感したHさん。叔母が少しずつ元気を取り戻していく姿を見て、食事が健康に与える影響に興味を持つようになったそうです。「もっと栄養のことを学べば、叔母だけでなく、他の人たちの役にも立てるのでは」と考え、栄養学を学ぶ道を選びました。
現在は、介護施設で働きながら、高齢者一人ひとりに合った栄養管理やメニューの作成に取り組んでいます。「食べることが楽しみで、健康維持にもつながる献立を考えるのが、私のやりがいです」とHさん。「食事を楽しむことが生きがいに繋がる」との思いを胸に、毎日の業務に取り組んでいるそうです。