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給食センターの調理ってどんな仕事?"給食のおばちゃん"と何が違うのか解説!

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給食センターの調理ってどんな仕事?

給食センターでの調理の仕事とはどのようなものでしょうか?"給食のおばちゃん"と呼ばれる現地調理給食との違いも気になるところです。給食センターは、多くの学校に効率的に給食を提供するための大規模な調理施設で、安全で栄養バランスの取れた食事を届けるために日々努力しています。一方、現地調理では、子どもたちに温かい手作りの食事を提供し、食後のふれあいを通じて喜びを得ることができます。それぞれの現場での違いとは?そこでの働く魅力や課題は?

そもそも給食センターってなに?

給食センターとは?

給食センターとは、地域や学校の生徒たちに栄養バランスのとれた給食を提供する施設です。この施設は、特に効率性を重視して設計され、大量の食材を調理し、多くの人々に食事を届けることが可能です。給食は、単にお腹を満たすだけではなく、子どもたちの健康や成長をサポートし、食育の一環としても大切な役割を果たします。
多くの場合は学校給食を調理するためにセンターが作られ、複数の学校の給食をまとめて調理し、各校に配送する場合が多いです。
給食センターでは、学校給食法に基づいて調理が行われます。たとえば、栄養士が中心となり、カロリーや栄養素を計算したメニューを作成。調理スタッフはその指示を基に、安全でおいしい食事を作り上げます。一見、学校内の調理場と似ていますが、給食センターは多くの学校の給食を一括して調理する仕組みなので、規模や調理設備が大きく異なります。
また、給食センターのスタッフは衛生管理にも細心の注意を払っています。調理場は常に清潔に保たれ、食材の検品や温度管理なども徹底されています。これらの努力によって、子どもたちが安心して食べられる給食が提供されるのです。

給食センターと現地調理給食の違い

給食センターと現地調理給食には、それぞれ異なる特徴があります。どちらも子どもたちに健康的な食事を提供する目的は同じですが、調理場所や仕組みに大きな違いがあります。

給食センターの場合、一つの施設で複数の学校の給食を一括して調理し、それを配送する形式が取られます。このため、効率よく大量に給食を作ることが可能で、設備や食材の管理が集中的に行える点がメリットです。また、センターでは最新の調理機器が導入されていることが多く、品質や安全性の向上に繋がっています。ただし、調理から配膳までの時間がかかるため、温度や味の管理が課題となることもあります。

一方で、現地調理給食は各学校や幼稚園保育園などの施設内の調理場で給食が作られるスタイルです。調理された食事はすぐに提供されるため、つくりたての温かい料理が食べられるという大きな利点があります。また、各学校の特色を活かしたメニュー作りが可能で、生徒たちの好みや地元の食材を取り入れやすい点も魅力です。

給食センターでの仕事の内容

給食現場では栄養士や調理師などの資格を持った方が調理を担当し、パートは「調理補助」を行います。調理補助とは、名前の通り調理師や栄養士の指示のもと調理の補助を行う仕事で、食材の洗浄や切込み、食器の準備や洗浄、調理場の清掃、配膳や下膳を担当します。
業務時間は一般的に7:30~16:30の間です。昼食を調理し、その片づけをして業務が終わる事がほとんどなので、残業はありません。また、休日も学校のスケジュールに沿っているので、土日祝日や夏休みなどの長期休暇がお休みになります。

給食センターの一日の仕事の流れ

給食センターの業務時間である7:30~16:30の流れは以下の通りです。

・7:30~8:00  調理場の清掃
・8:00~9:00…食材の納品、納品された食材のチェック(検収)作業
・9:00~10:00…下準備(食材の洗浄や切り込み、食器の準備など)
・10:00~11:00…調理
・11:00~12:00…配送
・12:00~13:00…休憩
・13:00~13:30…調理器具の洗浄
・13:30~15:00…食器洗浄、清掃
・15:00~15:30…食器検収、消毒
・15:30~16:00…打ち合わせ、翌日の準備

給食センターで働くメリットとデメリット

資格っているの?

給食センターなどの給食現場で働く最大のメリットは、未経験からスタートできる点です。調理の基礎が学べるだけでなく、効率的な作業方法や食品衛生の知識も身に付きます。特に、子どもたちの健康を支えるという社会的意義の大きさがやりがいになります。また、勤務時間が規則的であることが多く、学校のスケジュールに合わせて休日が取れるため、ワークライフバランスを重視する方に適しています。さらに、調理師や栄養士の資格取得に挑戦する事ができ、キャリアアップを目指す事も可能です。

働く時間が規則的

給食センターなどの給食現場では、基本的に学校のスケジュールに合わせた勤務時間が設定されています。そのため、早朝から深夜までシフトが不規則になりがちな一般的な飲食業とは異なり、働く時間が安定しています。朝の出勤はやや早めですが、昼過ぎには業務が終了することが多いため、夕方以降の時間を自分のために使える点が魅力です。 また、土日や祝日が休みになるケースも多く、学校の長期休暇(夏休みや冬休み)に合わせて休みを取れる場合もあります。これにより、家庭や趣味の時間をしっかり確保することができ、ワークライフバランスを重視する方にとっては理想的な職場と言えます。

職場までの距離が遠い?

給食センターで働く際のデメリットの一つとして挙げられるのが、通勤距離が遠くなりがちという点です。多くの給食センターは地域の複数の学校に給食を提供するため、広いエリアをカバーできる場所に設置されています。このため、都市部から離れた郊外や工業地帯に立地していることも珍しくありません。
給食センターは早朝から勤務する場合が多いので、勤務地が遠いとより負担に感じることがあります。特に、公共交通機関が整備されていない地域では、自家用車での通勤が必要になる場合も多く冬場や悪天候時には通勤がさらに困難になる可能性があります。

食べている相手を見ることができない

給食センターで働くもう一つのデメリットとして、「食べている相手を見ることができない」という点があります。給食センターでは、調理した食事を各学校へ配送するため、実際に子どもたちが食べている様子を見る機会がほとんどありません。この点は、現地調理給食と大きく異なる特徴と言えます。

給食センターに向いている人

1. チームで働くのが好きな人

給食センターでは、調理スタッフや栄養士など、複数の職種が連携して業務を進めます。そのため、協力しながら目標を達成することに喜びを感じられる人に向いています。特に、大量調理の現場では、効率を重視した分担作業が行われるため、コミュニケーション能力が求められる場面も多いです。

2. 調理や食品に興味がある人

料理が好きな人や食品に興味がある人には、給食センターは非常に魅力的な職場です。多くの人に食事を提供する仕事は、やりがいを感じやすい分野でもあります。また、未経験でも働きながら調理技術を学ぶことができ、スキルアップを目指したい人にとってもぴったりです。

3. 規則正しい生活を送りたい人

給食センターの仕事は、勤務時間が安定しているため、規則正しい生活を送りたい人に向いています。特に朝早くから昼過ぎまでの勤務が一般的で、夕方以降の時間を自由に使うことができます。このような働き方は、家庭と仕事を両立させたい人や、自分の時間をしっかり確保したい人にとって大きなメリットとなります。

4. 体力に自信がある人

給食センターでは、重い調理器具や大量の食材を扱うため、体力が求められる場面があります。立ち仕事が中心となるため、ある程度の体力が必要ですが、逆に健康的な体を維持するのにも役立つ環境です。体を動かすことが好きな人や、アクティブに働きたい人におすすめです。

5. 子どもたちの健康や成長に貢献したい人

給食センターで作られる食事は、地域の子どもたちの健康を支える大切な役割を果たしています。直接的なふれあいは少ないものの、「自分の作った料理が子どもたちの成長を支えている」という思いを持って働ける人に向いています。

まとめ

給食センターの仕事は、調理に興味がある方だけでなく、チームワークが得意な方や規則正しい生活を送りたい方にとっても魅力的な職場です。また、体力に自信があり、子どもたちの健康に貢献したいという熱意を持つ人にとっては、非常にやりがいのある環境と言えるでしょう。

給食センターの課題

人手不足をどう乗り越えるか

給食センターは、多くの学校に給食を提供するという重要な役割を担っていますが、その運営にはいくつかの課題も存在します。特に、人手不足効率化は常に改善が求められる課題です。
給食センターでは、限られた時間内に大量の給食を調理し、各学校に配送する必要があります。そのため、調理工程がスムーズに進まないと、配送スケジュールが遅れ、結果的に子どもたちの食事時間に影響を与える可能性があります。また、調理スタッフが時間に追われることで、ストレスが高まり、作業効率や職場の雰囲気に悪影響を与えることもあります。
また、給食センターは郊外に立地している場合が多いので人手不足が課題になっている職場が多くなっています。特に繁忙期には作業が集中し、スタッフ一人ひとりの負担が増えるケースが多いです。また、新人スタッフと経験者の間で作業の偏りが生じることもあり、生産性の低下につながる場合があります。

ワンパターンの献立

給食センターでは、大量の給食を効率よく作るために、メニューがワンパターンになりやすいという課題があります。この問題は、子どもたちの食欲や満足感に影響を与えるだけでなく、食育の観点からも重要な課題です。 給食センターでは、多くの学校に均等な質の給食を提供する必要があります。そのため、調理の効率性を重視し、比較的簡単で大量調理がしやすいメニューが選ばれがちです。例えば、カレーライスや揚げ物、パスタなどが頻繁に提供される傾向があります。これにより、子どもたちが同じような味や食材に飽きてしまう可能性が高くなります。 現地調理方式のように、季節の献立や食育体験に連動した献立を作る事が出来ないため、調理する人にとってもやりがいが感じにくいという課題があります。

現地調理方式での給食のおばちゃんの魅力とチャレンジ

子どもたちとのふれあい

給食センターでなくても、自宅から近くの給食現場で「給食のおばちゃん」として働く事で子どもたちの成長を肌で感じながら仕事に打ち込む事ができます。
現地調理方式の給食現場であれば子どもたちの「ありがとう!」や「おいしかったよ!」といった直接的な言葉に触れることができます。子どもたちの笑顔や、食事を楽しむ姿を見ることができるのは、何にも代えがたい喜びです。また、日々の給食の中で、子どもたちが新しい食材や料理に挑戦し、「苦手だった野菜が食べられるようになった!」という成長を目にすることもあります。こうした小さな変化が、日々のやりがいにつながります。
また、学校や園によっては給食時間を活用した食育活動が行われます。例えば、給食を通じて食材の背景や調理の工夫を子どもたちに伝えたり、給食のおばちゃんたちが直接子どもたちと話し合う機会を作ったりする場合もあります。これにより、子どもたちは「食」への興味を持ちやすくなり、給食調理の仕事がさらにやりがいのある業務となります。

調理師、栄養士の資格を取得してキャリアアップ

現地調理方式で働く給食のおばちゃんたちは、学校内で直接子どもたちの給食を作るという特別な役割を担っています。その現場ならではの魅力とともに、調理師や栄養士の資格取得というキャリアアップの可能性もある点が大きな特徴です。
現地調理方式で働きながら、調理師や栄養士の資格を取得することは、やりがいと共に一定のチャレンジを伴います。資格を持っていなくても給食の調理補助として働くことは可能ですが、資格があれば調理技術や栄養管理の専門知識をさらに深め、キャリアの幅を広げることができます。また、資格取得者は現場でリーダー的な役割を担うことができ、責任感と達成感を得られる点が大きなメリットです。

ただし、資格取得には時間と労力が必要です。特に栄養士資格を取得するためには、専門学校や大学での学びが求められるため、仕事と学業を両立させる計画が重要になります。それでも、資格取得後は、より専門的な業務に携わるチャンスが増えるだけでなく、給与や待遇の向上にもつながる可能性があります。

まとめ

給食センターでの仕事は地域の学校に給食を提供するための重要な施設です。一括調理方式で大量の食事を効率よく準備し、子どもたちの健康や成長を支える役割を担っています。一方で、現地調理方式では、つくりたての温かい食事を提供し、子どもたちとのふれあいを通じてやりがいを感じられる仕事もあります。自分の好みや求める求人条件をよく検討して給食の仕事を選んでください。

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