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栄養士はドラッグストアで働くべき?「やめとけ」と言われる理由とは?

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栄養士はドラッグストアで働くべき?「やめとけ」と言われる理由とは?

栄養士としてのキャリアを考える際、ドラッグストアでの勤務を検討する方も多いでしょう。しかし、「やめとけ」という声も少なくありません。その理由は何でしょうか?本記事では、栄養士がドラッグストアで働く際のメリットとデメリットを徹底解説します。給与の実態や志望動機の作り方、実務経験の積み方など、具体的な情報を提供し、皆さんが最適なキャリアパスを選ぶための参考になる内容をお届けします。ドラッグストアで働くべきかどうか、この記事を読んで一緒に考えてみましょう。

栄養士がドラッグストアで働くメリットとは?

栄養士がドラッグストアで働くことには、いくつかのメリットがあります。まず、ドラッグストアは多くの人々が日常的に訪れる場所であり、幅広い層の顧客に対して接客ができる点です。このため、コミュニケーションスキルを磨くことができます。

さらに、ドラッグストアでの勤務は、医薬品や健康食品についての知識を深めることができます。薬剤師や他の専門スタッフとの連携を通じて、医療と栄養の融合した視点からアプローチするスキルを養えます。また、店舗運営の一環として在庫管理や売上分析など、ビジネススキルも身につけることができます。これらのスキルは、小売業に従事していく上で非常に役立ちます。

最後に、ドラッグストアでの経験は、小売業間の転職やキャリアアップにも有利に働きます。多様な顧客対応経験や実務スキルが評価され、スーパーマーケット、日用雑貨、アパレルなど、他の職場での採用にもつながりやすくなります。このように、ドラッグストア勤務は小売業で働く栄養士としてのキャリアを豊かにするメリットがあります。

ドラッグストア勤務で得られる栄養士のスキルアップポイント

ドラッグストアで勤務することで、栄養士としてのスキルを向上させる点は以下の3点です。

・栄養相談(健康相談)
栄養相談に力を入れているドラッグストアであれば、栄養士としての対応力を養うことができます。しかしながら、店舗や企業によっては栄養相談を目標として掲げていても実際はそのような機会がほとんどなかったり、全くやっていない場合があるので注意が必要です。

・医薬品や健康食品の知識
薬剤師が常駐している店舗であれば処方箋の数も多く、医薬品と接する機会も多くなります。また、健康食品やサプリメントについてお客様に質問される機会もあるかもしれません。ただ、医薬品に関わる業務は栄養士に求められることが少ない為、自身で積極的に学ぶ姿勢が重要になります。

・チームワーク
店舗型のビジネスであるドラッグストアでは、薬剤師や他のスタッフと協力して業務を進めることが求められます。これにより、チームとして働く際のコミュニケーション方法や協力の仕方を実践的に学ぶことができます。

ドラッグストア勤務の栄養士が提供できる顧客サポート

ドラッグストアに勤務することでお客様に幅広い提案ができます。洗剤や殺虫剤などの日用品、化粧品や美容サプリなどの美容商品など幅広い商品を扱っているのがドラッグストアの特徴と言えます。
栄養士の資格を活かしたサポートは栄養相談(健康相談)や健康食品の商品説明が該当します。特に栄養相談は企業や店舗によって実施頻度が様々です。栄養士の資格を活かした仕事がしたい方が職場選びをする際は、実際にどの程度の頻度で栄養相談の機会があるかを確認することが重要になります。

ドラッグストア勤務での栄養士の給与事情

ドラッグストア勤務の栄養士の給与事情について詳しく見ていきましょう。まず、栄養士の給与は、勤務先や地域によって大きく異なりますが、一般的に病院や学校などの他の職場に比べて、ドラッグストアでの給与はやや低めであると言われています。新卒の場合、初任給は約18万円から20万円程度が一般的ですが、経験を積むことで給与のアップも期待できます。
次に、昇給やボーナスについてですが、ドラッグストアでは定期的な昇給がある一方、ボーナスの支給額は企業によって異なります。大手チェーンのドラッグストアでは、比較的安定したボーナスが支給されることが多いですが、中小規模の店舗ではボーナスが少ない場合もあります。
また、ドラッグストアでの勤務は、店舗の営業時間に合わせたシフト制が一般的です。これにより、フレキシブルな働き方が可能になる一方、夜間や週末の勤務が増えることもあります。この点も給与に影響を与える要素となります。
さらに、福利厚生についても確認が必要です。大手のドラッグストアチェーンでは、健康保険や厚生年金、育児休暇などの福利厚生が充実していることが多いです。これらの福利厚生が充実しているかどうかも、給与の一部として考慮する必要があります。
総じて、ドラッグストアでの勤務は、他の職場に比べて給与は低めかもしれませんが、フレキシブルな働き方や福利厚生の充実度などを考慮すると、一概に悪い選択肢とは言えません。自分のライフスタイルやキャリアプランに合った働き方を選ぶことが大切です。

ドラッグストアで働く栄養士の現実とは?

ドラッグストアで働く栄養士の現実を見ていきましょう。まず、ドラッグストアの栄養士は、多岐にわたる業務をこなす必要があります。顧客対応をメインにしながら、商品の陳列や在庫管理、販売促進のためのイベント企画など、店舗運営にも関与することが多いです。
一日のスケジュールは、開店準備から始まり、閉店後の片付けまでが一般的です。具体的には、朝は商品の補充や陳列、店内の清掃からスタートし、開店後は顧客対応に集中します。昼休憩を挟みつつ、午後も引き続き顧客対応を行い、夕方から夜にかけては、商品の在庫チェックや次の日の準備をします。
栄養士としての知識を活かしつつも、ドラッグストア特有のスキルや知識が必要です。例えば、健康食品やサプリメント、一般用医薬品に関する知識を持っていることが求められます。これに加え、店舗運営の基本知識や接客スキルも重要です。
一方で、ドラッグストアで働く栄養士は、顧客との直接的なやり取りを通じて、多くの実務経験を積むことができます。一方で、忙しい店舗では業務量が多く、体力的な負担もあります。このように、栄養士としてのスキルを活かしつつ、ドラッグストア特有の業務に対応する柔軟性が求められます。

ドラッグストアで働く栄養士の一日のスケジュール

ドラッグストアで働く栄養士の一日は、忙しく、業務が多岐にわたります。ここでは、一般的な一日のスケジュールを紹介します。

AM7:00 開店前

店舗の清掃や商品の陳列、補充作業から始まります。特に、健康食品やサプリメントのコーナーは常に整頓されていることが求められるため、入念にチェックします。これにより、顧客が訪れた際に商品が見やすく手に取りやすい環境を整えます。

AM8:00 開店後

顧客対応がメインの業務となります。開店直後は比較的お客様の少ない時間帯なので、バックヤードの整理や納品される食品の品出しなどを行います。

AM11:00 忙しい時間帯①

医薬品や食品を買い求める方や処方箋を持ったお客様が多く来店される忙しい時間になります。品出しなどを行いながらレジ対応なども求められます。また、お客様から医薬品や健康食品、サプリメントなどについて相談されやすい時間帯でもあります。

PM2:00 閑散期

お客様の来店が落ち着き、お昼休憩を取る時間になります。スタッフが順番に休憩室でランチタイムを取るなどします。また、午前中の来客で欠品はないか?発注するべき商品はないか?などを確認する時間帯でもあります。

PM4:00 忙しい時間帯②

仕事帰りの方や夕飯前の買い出しで来店されるお客様が多くなるのがこの時間帯からです。新商品のプロモーションとして、店内ポップの作成や試食イベントの企画・実施を行うこともあります。

PM6:00 閉店前

夕方から夜にかけては、売上データの集計や分析を行い、次の日の準備をします。売上データをもとに、売れ筋商品の追加発注や、在庫の見直しを行います。閉店後にスムーズに帰宅できるように片付けや清掃の準備も行います。

PM10:00 閉店後

閉店後は清掃、次の日の準備などを行い、最後に戸締りをして帰ります。忙しい店舗ではこの時間から発注作業を行うこともあります。

栄養士がドラッグストアで直面する課題とその対策

ドラッグストアで働く栄養士は、さまざまな課題に直面することがあります。ここでは、主な課題とその対策について紹介します。
まず、顧客対応の難しさです。ドラッグストアには、多様な健康ニーズを持つ顧客が訪れます。例えば、接客を求めておらず自分の必要な商品を最短で購入したいというお客様が多くいます。中には、ダイエットや生活習慣病予防、特定の健康問題に対する栄養アドバイスを求めるお客様もいます。接客をしながらお客様の心情を見極めて話しかけたり、急いでレジ対応をしたりする柔軟さが求められます。
次に、業務の多様さによる負担です。商品の陳列や在庫管理、プロモーション活動など、さまざまな業務をこなす必要があります。これにより、業務量が多くなりがちです。対策としては、業務の優先順位を明確にし、効率的に作業を進めることが求められます。また、店舗スタッフとの連携を密にし、チームワークを強化することも重要です。
さらに、店舗のシフト勤務による時間管理の難しさも課題です。夜間や週末の勤務が必要になることが多く、プライベートとのバランスを取るのが難しいことがあります。
最後に、顧客のクレーム対応も課題の一つです。レジ対応のスピードや商品のラインナップに関するクレームが発生することがあります。このような場合、冷静かつ迅速に対応し、顧客の満足度を高めることが求められます。
これらの課題に対して適切な対策を講じることで、ドラッグストアで働く栄養士としての業務を円滑に進めることができます。

実際のところどう?ドラッグストア勤務の栄養士の声

ドラッグストアで働く栄養士の実際の声を聞いてみましょう。

ドラッグストア勤務10年目の栄養士のAさん(30代前半)

「最近店長代理という役職に就きました。売上を管理し、目標に向かってどのような店舗作りをするか、自身で考えて取り組むことができます。これからも店舗の売上を伸ばしつつ、会社から評価される仕事がしたいと感じています。」

ドラッグストア勤務2年目の栄養士のBさん(20代前半)

「常連さんから話しかけられたり、接客したお客様から直接『ありがとう』と言ってもらえる時は業務に対するモチベーションが上がります。忙しい日もありますが、徐々に品出しやレジ対応にも慣れてきたので、イレギュラーの対応などにも臨機応変に対応できるようになりました。」

ドラッグストア勤務4年目の栄養士のCさん(20代後半)

「仕事に慣れて、日々の業務の中で店舗運営でわからないことが出てくるシーンはほとんどなくなりました。ただ、当初はもっと栄養指導や健康相談などの機会が多くあると思っていましたが、そういった業務は1回/月程度なので、資格を活かすという観点で悩みがあります。」

『やめとけ』と言われる理由

ドラッグストアで働くことについて、栄養士の間で「やめとけ」と言われる理由を掘り下げていきます。給与や労働環境、キャリア形成におけるリスクなど、さまざまな観点からその理由を明らかにし、具体的な対策も提案します。

栄養士がドラッグストア勤務を避けるべき理由とは?

まず、栄養士がドラッグストア勤務を避けるべき理由の一つは、専門性の発揮が難しい点です。ドラッグストアでは、商品販売や接客がメインの業務となりがちで、栄養士としての専門知識をフルに活用する機会が限られることがあります。また、店舗によっては、商品の売上目標を達成するためのプレッシャーがかかり、顧客の健康を第一に考えるべき栄養士としての本来の役割が疎かになる可能性があります。
次に、労働環境に関する問題です。ドラッグストアはシフト勤務が多く、夜間や週末の勤務が頻繁に発生します。これにより、家庭とのバランスを取るのが難しくなる場合があります。また、繁忙期には長時間労働を強いられることもあり、体力的な負担が大きくなることが懸念されます。
さらに、キャリアの視点から見ると、ドラッグストアでの経験が他の医療機関や専門施設でのキャリアアップに直接繋がらない場合もあります。病院や福祉施設など、他の職場で求められるスキルや経験とは異なるため、キャリアパスの選択肢が狭まる可能性があります。

ドラッグストア勤務のデメリットとその対策

ドラッグストア勤務にはいくつかのデメリットがあります。まず、前述したように、専門性を発揮する機会が少ない点については、自分から積極的に知識を提供する場を作ることが重要です。例えば、健康セミナーや栄養相談会を企画し、顧客との直接的な交流を増やすことで、専門知識を活かせる場を作り出すことができます。
次に、シフト勤務の負担については、店舗マネージャーと定期的にコミュニケーションを取り、無理のないシフト調整をお願いすることが重要です。労働環境を改善するために、定期的な休息を確保し、長時間労働を避ける工夫をしましょう。
また、管理栄養士の資格取得を目指す方にとっては、厚生労働省が定める「栄養士の実務経験」に該当する施設には、ドラッグストアは入っていません。ドラッグストアで業務を行っても管理栄養士の資格試験の取得は出来ない場合がほとんどです。もちろん栄養の指導業務を専業で行う方などはその限りではありません。

給与の現実

ドラッグストア勤務の栄養士の給与は、他の職場と比較して低めであることが多いです。新卒の場合、初任給は約18万円から20万円程度が一般的ですが、経験を積んでも大幅な昇給は期待しにくいという現実があります。特に、中小規模のドラッグストアでは、給与やボーナスが限られていることが多く、生活費や将来の貯蓄に不安を感じることがあります。
また、シフト勤務が多いため、夜間や週末の勤務が増えることがありますが、これに対する手当が十分でない場合もあります。結果として、長時間働いても収入が思ったほど増えないという不満が募ることがあります。給与の現実を踏まえて、自分の生活スタイルやキャリアプランに合った職場を選ぶことが重要です。また、転職を考える際には、他の職場と給与や福利厚生の条件を比較し、自分にとって最適な選択をすることが大切です。

キャリア形成におけるドラッグストア勤務のリスクと注意点

ドラッグストア勤務は、キャリア形成においていくつかのリスクを伴います。まず、専門性の発揮が難しい環境であるため、他の職場で求められるスキルや経験を十分に積むことができない場合があります。特に、病院や福祉施設などで求められる臨床経験や専門知識は、ドラッグストアでは得にくいことがあります。また、給与や労働条件が厳しい場合、モチベーションの低下や職場ストレスの増加につながることがあります。これにより、長期的なキャリア形成が難しくなるリスクがあります。対策としては、自分のキャリアプランを明確にし、そのために必要なスキルや経験を積むための工夫をすることが重要です。例えば、定期的な研修や勉強会に参加し、最新の知識を身につける努力を続けることが大切です。
また、転職を視野に入れ、他の職場での経験を積むことも検討しましょう。

栄養士のキャリアアップにドラッグストア勤務は役立つ?

栄養士としてキャリアアップを目指す際に、ドラッグストアでの勤務経験がどのように役立つのかを考えてみましょう。ドラッグストアは、多様な顧客層に対して栄養アドバイスや健康相談を行う場であり、さまざまなスキルを身につけることができます。ここでは、具体的なスキルセットと実務経験について詳しく見ていきます。

栄養士としてドラッグストアで得られるスキルセット

ドラッグストアで働くことで得られるスキルセットは、多岐にわたります。まず、顧客対応能力が大きく向上します。日々、多くの顧客と直接対話する機会があり、それぞれの健康状態や生活習慣に応じたアドバイスを提供するため、コミュニケーションスキルやカウンセリング能力が自然と磨かれます。顧客のニーズを的確に把握し、わかりやすく説明するスキルは、どの職場でも非常に役立ちます。
さらに、ビジネススキルも身につけることができます。在庫管理や売上分析、プロモーション活動など、店舗運営に関わる業務を通じて、ビジネスの基本的な知識やスキルが養われます。特に、売上データを基にした商品配置の見直しや、プロモーションの効果測定などの経験は、マーケティングの知識を深める上で非常に有益です。最後に、チームワークとリーダーシップのスキルも得られます。ドラッグストアでは、薬剤師や他のスタッフと協力して業務を進めることが求められるため、チームとして働く際のコミュニケーション方法や協力の仕方を実践的に学ぶことができます。また、リーダーシップを発揮してチームをまとめる機会も多く、管理能力も養われます。

栄養士としての実務経験を積むならドラッグストア?

ドラッグストアでの勤務は、栄養士としての実務経験を積むための良い機会と言えるでしょうか?まず、多様な顧客と接することで、接客力や顧客対応力が身につきます。また、ドラッグストアでは、健康食品やサプリメントの知識が求められます。これらの商品について詳しく学ぶことで、栄養に関する幅広い知識が深まります。さらに、新商品の情報に常に触れることができるため、最新の栄養情報をキャッチアップする習慣が身につきます。加えて、店舗運営に関する業務を通じて、ビジネススキルも身につけることができます。在庫管理や売上分析、プロモーション活動など、店舗運営に関わるさまざまな業務を経験することで、ビジネスの基本的な知識やスキルが養われます。特に、売上データを基にした商品配置の見直しや、プロモーションの効果測定などの経験は、マーケティングの知識を深める上で非常に有益です。さらに、ドラッグストア勤務では、他のスタッフと連携する機会が多く、チームワークのスキルも向上します。異なる専門分野のスタッフと協力することで、コミュニケーション能力や協調性が養われ、職場全体の円滑な運営に貢献する力が身につきます。また、リーダーシップを発揮してチームをまとめる機会も多く、管理能力も養われます。

まとめ

栄養士がドラッグストアで働くことには、多くのメリットとデメリットがあります。メリットとしては、広範な商品知識の習得や顧客対応能力の向上、チームワークを育む能力が挙げられます。しかし、給与が低いことや専門性を発揮しにくい点、シフト勤務の負担などデメリットも少なくありません。キャリアアップを目指すなら、これらの要素を総合的に考慮し、自分に最適な選択をすることが重要です。

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