年に一度の健康診断。結果が届いたとき、「ひと通り見たけれど、結局いつもと同じ生活に戻っている」という方も多いのではないでしょうか。
忙しい毎日の中で、健康診断の数値とじっくり向き合う時間を取るのは、意外と難しいものです。
特に育児や家事、仕事を同時にこなしている時期は、自分の体調管理が後回しになりがちです。「少し気になる数値はあるけれど、すぐにどうこうするほどではないかな」と感じて、そのままにしてしまうケースも少なくありません。
しかし健康診断の結果は、生活を責めるためのものではなく、これからの食生活を整えるためのヒントでもあります。数値の意味を知り、無理のない範囲で向き合うことで、日々の食事はぐっと楽になります。
この記事では、管理栄養士の視点から、健康診断の結果と食生活をどう結びつけて考えればよいのか、そして「続けられる改善」のヒントをお伝えします。
目次
- 健康診断の結果が「悪化しやすい人」に共通する生活パターン
- 【数値別】健康診断でよく見られる項目と食事の考え方
- 健康診断の数値改善が続かない理由と、その対処法
- 健康診断の結果を見たあと、最初にやるべき3つのこと
- よくあるQ&A｜健康診断と食生活の疑問
- まとめ｜健康診断は「生活を整えるきっかけ」に
- クックリィからの一言｜食の知識を、暮らしと仕事につなげる
健康診断の結果が「悪化しやすい人」に共通する生活パターン
健康診断の数値が思わしくなかったとき、「体質だから仕方ない」「年齢のせいかも」と感じる方も少なくありません。
しかし管理栄養士として多くの相談を受ける中で、数値が悪化しやすい人には、ある程度共通した生活パターンが見られます。
- 食事時間が日によって大きく変わる
- 朝食を抜く、または簡単に済ませがち
- 夜に食事量が集中しやすい
- 疲れた日の甘いものや間食が習慣化している
これらは一つひとつを見ると小さなことですが、積み重なることで健康診断の数値に影響しやすくなります。
「何を食べたか」だけでなく、「どんな生活リズムだったか」を振り返ることが、改善の第一歩です。
【数値別】健康診断でよく見られる項目と食事の考え方
血糖値・HbA1cが気になる場合
血糖値やHbA1cの数値は、「甘いものを控えなければ」と思われがちですが、実際には食事全体のリズムが大きく関係しています。
- 食事を抜かず、1日3食を意識する
- 主食・主菜・副菜をそろえる
- 間食は時間と量を決める
コレステロール・中性脂肪が高めの場合
脂質の数値が気になると、「油を全部控えよう」と考えてしまいがちですが、完全に避ける必要はありません。
- 揚げ物の頻度を減らす
- 魚料理を意識的に取り入れる
- 野菜やきのこ類で食物繊維を補う
肝機能（AST・ALT・γ-GTP）が気になる場合
外食や飲酒の機会が多い方は、肝機能の数値に影響が出やすい傾向があります。
- アルコールの量・頻度を見直す
- 夜遅い食事を控える
- たんぱく質と野菜をバランスよく
健康診断の数値改善が続かない理由と、その対処法
「最初は気をつけたけれど、いつの間にか元に戻っていた」――これはよくある声です。
数値改善が続かない理由の多くは、完璧を目指しすぎてしまうことにあります。
- 急に食事内容を大きく変えようとする
- 家族と別メニューにして負担が増える
- 短期間で結果を出そうとする
大切なのは、「7割できていればOK」という考え方。
できなかった日があっても、また戻せばいい。続けられる工夫こそが、数値改善につながります。
健康診断の結果を見たあと、最初にやるべき3つのこと
1．数値を冷静に整理する
基準値だけで判断せず、前年との変化を見ることが大切です。
2．変えられそうな習慣を一つ決める
「夜食を少し減らす」「朝に何か一口食べる」など、小さな行動から始めましょう。
3．必要に応じて専門家に相談する
管理栄養士や医療機関への相談は、決して大げさなことではありません。
よくあるQ&A｜健康診断と食生活の疑問
Q. 数値が少し高いだけでも改善した方がいい？
A. 軽度のうちに生活を整えることで、大きな変化を防ぎやすくなります。
Q. 忙しくて食事改善ができません
A. 完璧を目指さず、「できるところから」で十分です。
まとめ｜健康診断は「生活を整えるきっかけ」に
健康診断の結果は、体を責めるためのものではなく、今の生活を見直すヒントです。
無理のない食生活の工夫を重ねることで、数値も気持ちも少しずつ整っていきます。
クックリィからの一言｜食の知識を、暮らしと仕事につなげる
管理栄養士・栄養士として培った視点は、家庭だけでなく、誰かの健康を支える力になります。
「クックリィ」では、食を通じて人を支える働き方や、復職・学び直しに役立つ情報も発信しています。
ぜひ他の記事も参考にしながら、これからの暮らしとキャリアを考えてみてください。
