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新学期が始まると、子どもたちは新しい教室や友達との生活に胸をふくらませながらも、少し緊張した毎日を送ります。そんな日々の中で「お弁当」は、家庭の温かさを感じられる大切な存在。親としても「栄養をしっかり届けたい」「食べる時間が楽しいものになってほしい」と願うものです。
一方で、現実には「朝の忙しさ」「献立のマンネリ」「栄養バランスをどう整えるか」など、悩みが尽きないのがお弁当作り。特に子育てと仕事を両立している方や、育休・産休からの復職を考えている方にとっては、日々の弁当作りが大きな負担になることもあります。
そこで本記事では、管理栄養士・栄養士の経験を活かし、新学期のお弁当作りを「ラクに」「楽しく」「栄養バランスよく」続けるための工夫をご紹介します。実際のエピソードや具体例を交えながら、子どももママも笑顔になれるヒントをまとめました。
子どものお弁当作りをラクにする基本の考え方
「完璧より続けやすさ」を大切に
まず伝えたいのは「完璧なお弁当よりも、無理なく続けられるお弁当こそ正解」ということです。理由はシンプルで、毎日続くものだからこそ、親の負担が大きすぎると長続きせず、子どもにとっても食事の時間が楽しめなくなるからです。
例えば「主食・主菜・副菜をきちんと揃える」よりも「赤・緑・黄の3色を入れる」と考えるだけで気持ちがラクになります。白ごはん+卵焼き+ブロッコリー、これだけで栄養と彩りが整います。
私自身も栄養士として働きながら子育て中、「今日は冷蔵庫にある食材で“色”だけ意識すればいい」と切り替えたことで、心に余裕が生まれました。行動提案としては、毎朝の献立を考えるときに「色チェック」を習慣にしてみてください。
朝のバタバタを減らす段取り術
理由は「準備が7割」であるからです。前日の夜に食材を小分けしておく、下味冷凍を作っておくなど、段取り次第で朝の作業時間は大幅に短縮できます。
具体例として、夜のうちに「にんじんをスティック状に切る」「ブロッコリーを茹でておく」だけでも、朝は詰めるだけになります。
- 夜に“切る・茹でる”を終えておく
- 冷凍食品や作り置きを2品常備する
- 子どもと一緒に「明日のおかず」を相談する
これらを習慣にすると「バタバタ」が「ちょっとしたルーティン」に変わります。
栄養バランスは“色”で考えるのがコツ
「子どもに野菜を食べてほしい」と思う一方で、毎回献立表とにらめっこするのは大変です。そこでおすすめなのが「色で考える」方法。
色 | 食材例 | ねらい |
---|---|---|
赤 | トマト、にんじん、パプリカ | β-カロテンなどで彩りと抗酸化 |
緑 | ブロッコリー、枝豆、ほうれん草 | ビタミンC・食物繊維でコンディション維持 |
黄 | 卵、かぼちゃ、とうもろこし | エネルギー源・見た目の明るさ |
この3色をそろえるだけで、自然と栄養バランスが整います。栄養士の現場でも「色のチェック表」を活用しており、家庭でもすぐに応用可能です。
栄養士が実践しているお弁当アイデア
冷凍ストックで乗り切る!安心の時短メニュー
結論は「冷凍ストックは忙しい朝のお守り」。理由は、短時間で用意できるだけでなく、食品ロス削減にもつながるからです。
私がよく使う冷凍ストック例:
- ほうれん草とコーンのバター炒め
- 鶏そぼろ(ごはんや卵焼きにアレンジ可)
- 鮭フレーク(おにぎりやおかずに)
これらを「小分け冷凍」しておくと、数分で1品完成。仕事の日の朝にも安心です。
子どもが喜ぶ「見た目アレンジ」の工夫
理由は「食べる楽しみ=見た目から始まる」からです。ウインナーをタコやカニの形に切る、卵焼きに青のりを混ぜるだけでも、子どもの食欲はぐんと上がります。
簡単な工夫例
- ミニトマトにチーズをのせてカラフルに
- のりパンチでキャラクター顔をつくる
- ブロッコリーを「木のように」盛り付ける
行動提案として「1日1アレンジ」を意識してみてください。無理なく続けられる工夫です。
実体験エピソード|栄養士ママのお弁当失敗談と解決策
私も栄養士でありながら、最初は失敗の連続でした。たとえば「彩りを意識しすぎて緑・赤・黄は揃ったけれど、味付けが全部違いすぎて全体としてバラバラ」「栄養を考えてゴロッとした根菜を入れたけれど、子どもには硬くて食べにくかった」など…。
実際に娘からは「なんか味がバラバラでごはんが進まない」と言われたり、帰ってきたお弁当箱を見たら、にんじんの煮物がそのまま残っていたこともありました。せっかく早起きして作ったのに残してしまう姿に、正直がっかりしたのを覚えています。
子ども目線に切り替えて行った工夫
- 味付けは和風・洋風など1テーマで揃える(例:卵焼き+ブロッコリーのおかか和え+鮭おにぎり)
- 大きさは“一口で食べられるサイズ”に(根菜は薄切りに、唐揚げは小さめに)
- ピックやバランで手づかみしやすく(洗いやすいシリコンカップ活用も◎)
この工夫を取り入れたところ、残さず食べて帰ってくる日が増えました。何より「お弁当全部食べたよ!」と子どもが嬉しそうに話してくれるようになり、私自身もお弁当作りが前向きに感じられるようになりました。
Q&Aで解決!お弁当作りのお悩み相談
Q1「野菜を食べてくれない時はどうする?」
A:理由は「形や調理法が子どもの好みに合わない」ことが多いです。にんじんをグラッセにする、ブロッコリーをチーズ焼きにするなど「好きな味付け」で工夫してみてください。
Q2「毎日同じようなおかずになってしまう…」
A:3〜4種類の“定番おかず”をローテーションすればOK。むしろ子どもにとっては安心感につながります。例えば「卵焼き・ウインナー・ブロッコリー・ミニトマト」を軸に、週替わりで変化を加えると無理なく回せます。
Q3「食中毒が心配な季節、どう対策する?」
A:保冷剤を必ず使う、汁気をよく切る、抗菌シートを利用する。この3点を押さえれば安心です。夏場は「冷凍フルーツ」を入れると保冷効果もあり、一石二鳥です。
働くママに伝えたい、“お弁当作り”を通じたキャリアのヒント
日々の工夫は「管理栄養士のスキル」に通じる
実は家庭のお弁当作りも、管理栄養士としてのスキル磨きにつながります。段取り、食材管理、栄養バランスの調整…どれも職場で求められる力です。
「お弁当作り」を学び直しや復職のきっかけに
「子どものために工夫した経験」を振り返ることは、復職準備に役立ちます。面接や職務経歴書で「家庭での実践を通じて栄養バランス管理力を磨いた」とアピールできるのです。
「名阪食品」や「クックリィ」で活かせるキャリアの場
名阪食品やクックリィは「食を通じて人を支える」会社です。日々のお弁当作りの経験が、実際の現場でも活かせることを知っていただけたらと思います。
がんばりすぎないお弁当作りで、子どもと自分に笑顔を
結論として「お弁当作りはがんばりすぎなくていい」のです。理由は「続けること」にこそ意味があるから。色で考える工夫、冷凍ストック、ちょっとした見た目のアレンジ…。その積み重ねが、子どもにとっての安心と楽しみになります。
読者への行動提案として、今日から「一つだけ工夫を取り入れる」と決めてみてください。それが復職や学び直しの小さな一歩につながります。
名阪食品やクックリィも、そんな「日々の食の工夫」を大切にしながら、皆さんのキャリアや暮らしを応援しています。