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管理栄養士の国家試験にむけた受験準備 - 栄養士実務経験者の証明や受験手続のまとめ

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管理栄養士の国家試験にむけた受験準備 - 栄養士実務経験者の証明や受験手続のまとめ

現場で働きながら管理栄養士の資格を目指す皆さんへ。仕事と勉強の両立に挑む中で直面する課題や解決策を共有します。実務経験を生かし、資格取得への道を確実に進めるための秘訣をご紹介します。

管理栄養士の国家資格の受験資格は認定される?所属企業が実務証明書を発行してくれるかを確認!

管理栄養士の国家資格を取得するためには、受験資格を満たしていることが必要です。特に実務経験が重要な要素となるため、所属企業が実務証明書を発行してくれるかどうかを確認することは非常に重要です。本記事では、管理栄養士の国家資格の受験資格に関するポイントと、実務証明書の発行について解説します。

受験資格の要件の詳細

管理栄養士の国家試験を受験するためには、いくつかの条件があります。一定の実務経験が必要です。

具体的には、以下のような要件を満たす必要があります。

 

資格要件① 栄養士養成施設を卒業した者

つまり栄養士資格を取得できる学校を卒業した方、ということです。

栄養士資格を取得できる学校は、四年生大学の他に、短期大学、専門学校などもあります。

 

資格要件② 栄養士資格を持つ者

①の要件を満たす学校を卒業した方は必然的に②も満たす事になります。

 

資格要件③ 厚生労働省で認められた施設での実務経験

資格を取得した後、厚労省が認めた施設で仕事をしなくてはいけません。厚生労働省のHPには以下のように記載されていますが少し分かりにくいように感じるかもしれません。

ア 寄宿舎、学校、病院等の施設であって、特定多数人に対して継続的に食事を供給するもの

イ 食品の製造、加工、調理又は販売を業とする営業の施設

ウ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、同法第124条に規定する専修学校及び同法第134条第1項に規定する各種学校並びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園

エ 栄養に関する研究施設及び保健所その他の栄養に関する事務を所掌する行政機関

オ アからエまでに掲げる施設のほか、栄養に関する知識の普及向上その他の栄養の指導の業務が行われる施設

まとめると以下の施設ということになります。

・調理施設:社員食堂、学生寮、病院、小中学校、幼稚園、保育所、こども園、給食センターなどの給食調理現場

・研究所等:栄養に関する研究所、保健所、行政機関など

・その他:他の施設でも厚生労働省が認めた栄養士としての業務が行える施設

※他にも該当する場合があります。

不安な場合は所属していた学校や国家試験運営本部に問い合わせてみましょう。

 

資格要件④ 栄養士(栄養指導)業務に従事した経験 ※卒業学校等により異なる

注意頂きたいのはこの要件です。「厚生労働省が認める給食現場で働けるから大丈夫!」と安心してはいけません。栄養士(栄養指導)業務とはいったい何なのか、どれくらいの期間が必要なのかについて説明いたします。

栄養士(栄養指導)業務とは?

所属企業が発行する「実務証明書」には施設の種類を答える項目の他に、「栄養指導(栄養士)業務の内容」を答える項目があります。

その項目は以下のように記載されています。

ア 献立作成

イ 食品材料の選択

ウ 栄養に関する教育

エ 栄養に関する調査研究

オ 栄養行政に関する業務

カ 栄養に関する相談、指導

キ 栄養に関する知識の普及向上

つまり、要件③に該当する病院や小中学校などの給食調理現場で働いていても、所属する企業がこの栄養士(栄養指導)業務に従事していると証明してくれないと受験する資格がない、ということになります。

また、この業務は「栄養士免許取得後」「その業務に専従いた期間」という表記があります。栄養士の学校で栄養士資格を取得して例えば卒業した後、パート調理員として調理補助に従事していた場合などは所属する企業が実務証明書を発行しない場合もあります。

就職先の企業や在籍企業に、今の自分の業務で証明書が発行してもらえるのか必ず確認をしておきましょう。

資格の勉強をしたが、所属企業が実務証明をしてくれず管理栄養士の試験を受けられないという結果にならないようにしましょう。

必要な栄養士(栄養指導)業務の従事期間とは?

この資格要件④には卒業した学校等(栄養士養成施設)によって異なります。

・修業年限が2年(短期大学等) →資格試験を受ける直前の12月時点で丸3年

・修業年限が3年(専門学校等) →資格試験を受ける直前の12月時点で丸2年

・修業年限が4年(四年生大学等)→資格試験を受ける直前の12月時点で丸1年

これだけを見て「私は四年生の大学を卒業したので翌年の資格試験が受けられる!」と早合点してはいけません。

"資格試験を受ける直前の12月時点で"とあります。試験は毎年2月~3月で実施されますので、卒業した翌月4月から仕事を開始しても、その年の12月段階ではまだ従事期間が6カ月間ということになり、翌3月の試験は受けられないのです。

なので、3月に学校を卒業して4月から働く方に関しては四大生だと2年目の2~3月の試験から、短大なら4年目の2~3月の試験から試験を受ける事が出来ます。

見落としがちな食事摂取基準の更新

食事摂取基準が更新されると管理栄養士試験の内容も大きく変わると言われています。 次回の更新は2025年なので、例年通りだと2024年の12月に発行される事になります。

更新前の過去問題は役に立たない?

食事摂取基準が更新されると、新しい基準に基づいた試験問題が出題されるため、更新前の過去問題は一部で役に立たないことがあります。しかし、基本的な知識や概念は大きく変わらないため、基礎を固めるために過去問題を活用することは依然として有効です。ただし、特に新しい基準に関連する内容については、最新の情報を反映させた教材や資料を使って学習することが重要です。

更新した後の試験を受ける方が気を付ける事

まずは、食事摂取基準の更新内容をしっかりと把握しましょう。

新しい基準がどのように変更されたのか、どの項目が追加されたのかを詳細に確認し、試験に備えることが重要です。

次に新しい教材を使用しましょう。更新後の情報を反映した最新の教材や参考書を使用するようにしましょう。これにより、最新の基準に対応した学習が可能になります。

最後に模擬試験で実践練習を必ず行いましょう。最新の基準に基づいた模擬試験を活用して、実践的な練習を行いましょう。これにより、新しい試験形式や出題傾向に慣れることができます。

受験の手続~書類の提出場所と試験会場の確認

管理栄養士国家試験の受験には、書類の提出と試験会場の確認が重要なステップです。適切に手続きを行い、試験当日にスムーズに受験できるようにしましょう。

どこで確認する?

受験手続きに必要な情報は、厚生労働省の公式ウェブサイトで確認しましょう。

もしくは卒業した学校で情報発信している場合もあります。

受験の手続きの行い方!都心でしか手続きができない?

受検の手続きは毎年全国8~10か所でしか行っておりません。

2023年の手続きでは、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県、沖縄県で行っていました。

「都心でしか手続きできないので移動が大変?」と思われる方もいるかもしれませんが、“原則として郵送(書留)による”とありますのでお住まいがどこでも手続きは書類を発送するだけで大丈夫です。

しかし、手続きの書類を受け付ける期間が例年20日間程度と非常に短いです。

手続きの情報が厚生労働省のウェブサイトで更新されたら、漏れなく確認しましょう。

そして在籍している企業には事前に確認し、いつ頃書類を発行してほしいか、手元に届くかをしっかり確認しておくべきでしょう。

一番重要なのは勉強時間?働く場所が一番大事

管理栄養士国家試験に合格するためには、勉強時間の確保が重要です。しかし、それ以上に働く場所の環境や勤務形態が大きな影響を与えることがあります。適切な勤務環境を選ぶことで、効率的な勉強時間を確保しやすくなり、合格への道が開けます。

これから職場を選ぶ方は、自身が管理栄養士の試験を受けたい事をその企業に伝えて、きちんと勉強時間が確保できる労働環境なのかを確認しましょう。

現在の職場に在籍しながら試験勉強を行う方は、上司や周囲の方に伝えて協力を仰ぐようにしましょう。

試験当日は休めるか?

試験当日に休みを確保できるかどうかも、勤務先の理解と協力が必要です。試験日程は事前に決まっているため、以下の点を確認しておくと良いでしょう。

 

事前の申請

試験の日程が決まったら、できるだけ早めに職場に休暇の申請をしましょう。多くの企業や施設では、重要な試験に対しては理解を示してくれることが多いです。

 

勤務先のポリシー

休暇申請のポリシーや手続きを確認しましょう。特に、医療機関や介護施設などシフト制の職場では、早めの調整が必要です。

 

代替勤務の調整

他のスタッフと協力して、試験当日に勤務が重ならないようにシフトを調整することも有効です。上司や同僚とのコミュニケーションを大切にしましょう。

 

試験直前のシフト

試験直前の数日間は、勉強に集中できるようにシフトを調整することも考慮しましょう。これにより、万全の状態で試験に臨むことができます。

適切な勤務先を選び、職場の理解と協力を得ることで、試験勉強と仕事の両立がしやすくなります。勉強時間の確保はもちろん大切ですが、働く場所や勤務形態が合格への鍵となることを忘れずに、計画的に準備を進めましょう。

まとめ

管理栄養士の資格試験は、就業しながら合格する方も毎年数多くいらっしゃいます。

しかし、職場の関係や勉強時間の確保が出来ず受検できなかったり合格できなかったりする方も多くいらっしゃいます。

仕事をしながら管理栄養士の資格を獲得するには、職場選びや会社への確認、受験に向けた手続きの段取りや試験勉強計画など、事前の準備が欠かせません。

みなさんが管理栄養士の資格を取得できることを願っております。

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