
ストレスがたまってくると、何かを食べて発散したくなりませんか。逆に食欲不振になることもあるでしょう。実は、ストレスと食事は密接に関係しています。そこで今回は、ストレスと食事の関係性を紐解いていきます。ストレスを感じているときに食べたいメニューや、トライしたい調理方法もまとめました。食事内容と調理方法の2方向から、ストレスに負けない生活を手に入れましょう。
ストレスと食事の関係性について
ストレスと食事の関係を深掘りする前に、まず自律神経について理解しておきましょう。自律神経は、呼吸や心臓・内臓の動き、温度調整などを司っています。自律神経のうち、身体を活動モードにさせるのが「交感神経」、リラックス状態に導くのが「副交感神経」です。
私たちは、無意識のうちに交感神経と副交感神経の働きをスイッチさせながら、身体内部のバランスを維持しています。
ところが、過度なストレスにさらされたり、それが長期間続いたりすると、自律神経の働きが不調になります。短期間で強いストレスを受ける「急性ストレス」では、交感神経が優位になり食欲が減退します。胃腸障害が起こることもあるでしょう。
一方、長期的に強いストレスが続く「慢性ストレス」では、ストレスホルモンの影響を受けて脂肪をため込みやすくなります。特にお腹まわりに脂肪が付きやすいでしょう。「ストレスがたまっているから」と暴飲暴食すれば、さらに肥満が加速します。 ただ、誰しも慢性ストレスで肥満になるわけではありません。ストレスによって食欲が落ちる方は、逆に痩せていきます。
ストレス軽減に効果的な料理6選
ここまで、ストレスと食事が密接に関係していることを解説してきました。以下では、ストレスを感じているときに摂取したい栄養素を紹介します。
- ビタミンB群
- ビタミンC
- ベータカロテン
- たんぱく質
- トリプトファン など
ストレスを感じるとビタミンB群やビタミンCを消費するので、補給する必要があります。また、ストレスによる免疫力低下に備えて、ベータカロテンも摂取しましょう。
そして、意識したいのがたんぱく質。ストレスを感じるとエネルギー代謝が活発になり、たんぱく質がたくさん分解されてしまうからです。トリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを生成し、心身の不調を緩和してくれます。
以下では、実際にストレス軽減が望める料理を6つ紹介します。
チキンクリームシチュー
鶏肉とたっぷりの野菜を入れて作る、クリームシチューです。たんぱく質が豊富な鶏肉を使うのがポイント。もも肉も美味しいですが、胸肉を使うとカロリーを抑えつつ、たんぱく質を多く摂取できます。 野菜は、ブロッコリーやにんじん、ほうれん草などを選んでみましょう。これら緑黄色野菜にはベータカロテンがたっぷり含まれているので、ストレスによる免疫力低下対策になります。
豆乳の味噌汁
じゃがいもやにんじん、油揚げなどをだし汁で煮たあと、豆乳を加えて仕上げる味噌汁です。大豆製品はトリプトファンが豊富な食材として知られています。豆乳や油あげ、味噌を使用したメニューなので、たっぷりトリプトファンを摂取できるでしょう。 また、じゃがいもの栄養素であるビタミンCは、ストレス解消をサポートしてくれます。さらに、でんぷんがガードしているため、加熱しても簡単に壊れません。
豚しゃぶサラダ
神経を落ち着かせてくれるビタミンB1が豊富な豚肉。豚肉をさっとゆがいて、キャベツや水菜などの葉物野菜と一緒に食べればビタミンCも摂取できます。 さらに、ブロッコリーやトマトといった緑黄色野菜をプラスすれば、ストレス対策にぴったりの一品になるでしょう。お好みで梅を加えると、クエン酸パワーで疲労回復も期待できます。
マグロ納豆
良質なたんぱく質を手軽に補給したいなら、まぐろ納豆もおすすめです。食べやすいサイズに角切りしたマグロをタレに漬け、納豆と合わせるだけで完成します。 マグロと納豆には、たんぱく質だけでなくトリプトファンもたっぷり含まれています。マグロ納豆にとろろを加えるアレンジもおすすめです。長芋からは、ビタミンB群やビタミンCを摂れます。
おからパウダーの白身魚のムニエル
小麦粉ではなく、大豆が原料のおからパウダーを使うのがポイントの一品です。白身魚に塩こしょうで下味を付け、おからパウダーをまぶして焼きましょう。仕上げに、冷凍したレモンをおろしてかけます。 そして、付け合わせにベビーリーフを添えてください。香味野菜やレモンの香りにもストレス解消の効果があるとされており、すっきりした気分にさせてくれるでしょう。
フルーツとナッツのヨーグルト和え
ストレスがたまり甘いものを食べたくなったら、いちごやキウイなどをカットして、ナッツ類とヨーグルトを和えたデザートを食べてみましょう。フルーツのビタミンCと、ナッツ類のビタミンB群がストレス緩和にアプローチ。また、ヨーグルトがストレスによる胃腸の荒れを予防してくれます。 甘さをプラスしたい場合は、カロリーが低いメープルシロップを加えてみましょう。
調理方法にもストレス軽減に関係が?
イライラがたまってくると、思いっきり発散したくなるもの。そのエネルギーを、調理に向けてみてはいかがでしょう。調理をする際は、段取りを考えたり、味見をしたり、手先を動かしたりと、五感や身体を使います。そうすると、脳の血行が活発になり、セロトニンの分泌が促されストレス軽減につながるのです。 ここからは、ストレス解消に向いている調理方法を3つ紹介します。
「刻み料理」でストレス解消を
食材を刻む工程が多い餃子やキーマカレーなどを作っていると、ストレス解消が期待できます。「何かを壊す」行為は、イライラを発散してくれるからです。無心で刻んでいるうちに、モヤモヤも晴れるでしょう。
「こねる」調理で気分すっきり
パン作りもストレス発散におすすめです。パンを美味しく作るには、生地を思い切りこねたり叩きつけたりしなければなりません。一心不乱に生地をこねているうちに、すっきりしてくるでしょう。また、生地を足で踏むうどん作りは、親子でストレス発散できそうです。
「叩く」調理でストレス発散
食材を叩く調理もイライラを吹き飛ばしてくれます。きゅうりを叩き割って浅漬けを作ると、短時間で味がなじみます。トンカツはお肉を麵棒で叩いておくと、やわらかくなるでしょう。叩いてストレス解消できるだけでなく、料理が美味しくなって一石二鳥です。