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成長期の食事で必要な栄養素は?おすすめ食事プランも紹介

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成長期の食事で必要な栄養素は?おすすめ食事プランも紹介

成長期の子どもが食事で摂取すべき栄養素をご存じでしょうか。成長期の子どもは、大人に近づく身体づくりをしている最中なので、大人とは栄養素の必要量が異なります。この記事では、成長期の子どもに必要な栄養素やおすすめの食事プランを紹介します。栄養素の具体的な働きや、成長期の食事づくりにおけるポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

成長期における食事の重要性

成長期に必要な栄養バランスや、成長と食事の関係性について詳しく見てみましょう。

栄養バランスが成長に与える影響

子どもの成長期のなかでもラストスパートと言える思春期は、将来の健康を形成するうえで大切なタイミングです。
思春期とは11歳頃から18歳頃までの年齢において、心と身体が子どもから大人へと移行する時期のことを指します。
小学校の高学年・中学生・高校生にかけては、特にタンパク質やビタミン、炭水化物、脂質、ミネラルなどのエネルギーを、バランス良く 摂取しなければいけません。

しかし、睡眠時間の減少や外食の増加などにより、BMIなどで判断できる肥満度が20%以上の「小児肥満」は、1970年代から40年間で3~4倍に増加。動脈硬化や血管内皮機能などの障害が起こる危険性が高まっています(※1) 。

成長期は、栄養バランスを考えた食生活を心がけ、生活習慣をしっかり整えることが重要と言えるでしょう。

成長期に起こる身体の変化と食事の関係

成長期のなかでも、特に思春期は心も身体も著しく変化する時期です。男女それぞれ身長が伸びるなど、身体の構造がより大人に近づいていきます。エネルギーや栄養素の必要量も増えるので、朝食・昼食・夕食の3食に分けた食事で、バランス良く栄養を摂取することが大切です。

クラブ活動や習い事をしている子どもの場合、必要なエネルギーが3食では足りない場合があるので、補食(間食)で補う必要もあるでしょう。

成長期に必要な栄養素とは?

成長期に必要な栄養素と栄養素の働きをチェックしましょう。

カルシウムと骨の発育

年齢問わず、カルシウムは骨を形成するのに必要な栄養素です。骨は毎日少しですが生まれ変わるので、しっかりカルシウムをとる必要があります。そのなかでも、成長期は骨量が増加し、骨のなかにカルシウムを貯められる大切なタイミングです。

1日に必要なカルシウム量は、成人1人当たり600から800mgなのに比べて、成長期の子どもは1人当たり700から1000mgとかなり多いのが特徴です (※2)。カルシウムを多く含む牛乳や小魚、乳製品などに加え、カルシウムの働きを助けるビタミンD、タンパク質、ビタミンKなども積極的に摂取しましょう。

タンパク質の役割

魚や肉、米などに含まれるタンパク質は、筋肉の形成を促すだけでなく、血液や髪の毛、歯、臓器など身体全体の組織を作る材料となります。ホルモンや抗体などの材料でもあるので、免疫や代謝などにも役立っている栄養素です。

年齢問わずタンパク質は必要ですが、特に成長期の子どもにとっては筋肉の量にも影響するので、意識して摂取することが重要になります。小学生の場合は約30から50g、思春期には約55から65gを目安にしっかりタンパク質を摂取しましょう。

ビタミンやミネラルの重要性

ビタミンやミネラルは、タンパク質や脂質などの分解・合成を助ける働きを持つ栄養素で、健康維持には欠かせません。

キノコ・海藻類に多く含まれ、筋肉の収縮に関わるビタミンDや、果物に多く含まれ美容と健康に良いと言われるビタミンCなどは、アスリートが意識して摂取することでも知られています。また、豚肉に多く含まれ、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1も成長期に欠かせない栄養素としても注目されています。

ミネラルもまた、ビタミン同様に健康維持には欠かせない栄養素です。ミネラルが不足すると欠乏症やさまざまな不調が起こることも。 炭水化物やタンパク質などに加えて、ビタミンやミネラルもバランス良くとるようにしましょう。

成長期の子どもにおすすめの1日の食事プラン

ここからは、成長期の子どもにおすすめの食事プランを、朝食・昼食・夕食に分けて紹介します。

朝食:エネルギーを補給するポイント

寝ている間でも、脳のエネルギー源であるブドウ糖は消費されると言われています。そのため、朝食を抜くのは厳禁です。ごはんや食パンなどの主食を取り入れ、朝食でしっかりブドウ糖を補給することが大切です。野菜スープやソテー、目玉焼き、ヨーグルトなどタンパク質やカルシウムを含む食材も欠かさずに摂取しましょう。

昼食:給食を活用したバランス食

保育園や学校などで提供される給食は、しっかりと栄養バランスが考えられた食事です。給食でよく出る牛乳であれば、コップ1杯で1日のカルシウム必要量の約1/3を摂取できます。家で昼食をとる場合は、主食・副菜・主菜を簡単にまとめてとれるカレーライスなどのバランス食に、サラダや果物を補って食べるのがおすすめです。

夕食:1日を締めくくる栄養補給

夕食で大切にしたいポイントは、朝食・昼食で摂取できなかった栄養素をとることです。1日の食事でとった栄養バランスを見て、献立を決めましょう。成長期に必要な1日のカルシウム量が足りていない場合は、ヨーグルトやひじきなどを夕食に取り入れると良いでしょう。

足りない栄養素を補う工夫

成長期の子どもに、足りない栄養素が出てきた場合はどうしたら良いのでしょうか。具体的な解決策を2つチェックしましょう。

補食の取り入れ方

1度に多く食べられない乳児期の子どもや、運動量が多く朝食・昼食・夕食の3食で必要な栄養を摂取できない成長期の子どもにとっては、補食(間食)が重要になります。子どもが食べたいおやつではなく、3食で摂取できなかった栄養素を考えて、補食で1日の栄養バランスを整えるようにしましょう。補食のタイミングは、3食の時間帯を空腹の状態で迎えられるよう、ライフスタイルに合わせて設定するのがおすすめです。

サプリメントに頼るべきか?

成長期の子どもにとって必要な栄養素が足りていないと感じた際、すぐにサプリメントを頼ることは控えましょう。子どもの場合は、サプリメントを摂取することで、特定の栄養素を過剰に摂取してしまい、大人には出ない副作用が生じる懸念があると言われています。栄養が足りていないと感じる場合は、食べ物から摂取できる栄養素を見直し、まず食事を改善するようにしましょう。

成長期には必要な栄養素を取り入れた食事を心がけよう

「成長期の子どもに適切な食事とは、どのようなものか?」と考えることは、日々、仕事や家事に追われるご両親にとって非常に悩ましい問題でしょう。成長期に必要な栄養素や食事量など、あらかじめ知っておけば、食事づくりと仕事や家事などとの両立が図りやすくなります。ぜひこの記事を、毎日の献立づくりに活かしてください。

【出典】

※1日本医師会「小児肥満の増加」
https://www.med.or.jp/dl-med/doctor/ssi/sports25/sports25_k3.pdf

※2農林水産省「大切な栄養素カルシウム」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics1_05.html#:~:text=%E6%88%90%E4%BA%BA1%E4%BA%BA%E5%BD%93%E3%81%9F%E3%82%8A%E3%81%8C%E4%B8%80,%E3%81%AF700%EF%BD%9E1000mg%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

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