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妊娠中に必要な栄養素と避けるべき食べ物とは?おすすめ食材と簡単レシピも紹介

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妊娠中に必要な栄養素と避けるべき食べ物とは?おすすめ食材と簡単レシピも紹介

妊娠がわかると、妊婦さんは体調や体の変化を感じ、赤ちゃんの健康状態が心配になることが多くなります。妊娠中は食事の栄養バランスが大切です。今回は妊娠中に必要な栄養素と避けるべき食品について紹介します。簡単なおすすめレシピもあるので、ぜひ最後までご覧ください。

妊娠中に必要な栄養素とは?

ここでは、妊娠初期・中期・後期に意識して摂取したい栄養素を紹介します。

妊娠初期に必要な栄養素

妊娠初期はつわりの影響で、思うように食事がとれないこともあります。この時期はボリュームよりも栄養バランスの取れた食事が重要です。妊娠初期に必要な5つの栄養素について詳しく解説します

・たんぱく質
胎児の血液や体を作るのに大切なたんぱく質。肉類、魚類、大豆食品、卵などから良質なたんぱく質を食事に取り入れましょう。

・葉酸
葉酸の摂取は、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことにつながります。そのため、妊娠前から妊娠初期の摂取が重要です。葉酸は、緑黄色野菜や大豆食品、海藻類に含まれており、サプリメントで補うことも可能です。

・鉄
妊娠中は、胎児の成長を支えるため妊婦さんの血液量が増えます。そのため、鉄欠乏性貧血に悩む妊婦さんも少なくありません。貧血を防ぐには、積極的に鉄を食事に取り入れましょう。鉄は魚介類、大豆食品、緑黄色野菜などに多く含まれています。

・カルシウム
カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルのひとつで、妊娠中は胎児の骨と歯の形成に重要な栄養素とされています。乳製品、大豆食品、小魚類、海藻類に多く含まれており、魚類やきのこ類などに含まれるビタミンDと同時に摂取すると吸収が良くなります。

・食物繊維
妊娠中に悩みがちな便秘の予防や改善に効果が期待できる食物繊維。海藻類、きのこ類、野菜類、果物類に多く含まれています。しかし、消化されにくく胃腸に負担がかかるものも多い点には注意しましょう。つわりのある時期にはやわらかく調理して食べるのがおすすめです。

妊娠中期に必要な栄養素

妊娠中期にはつわりが軽くなる方も多く、食欲も旺盛になり体重のコントロールに注意が必要になります。間食を取り過ぎないよう心掛け、引き続き栄養バランスの取れた食事になるよう気を付けましょう。

・葉酸
妊娠初期から引き続き、積極的に摂取しましょう。

・鉄
妊娠中期以降は胎児や胎盤への血液循環量が増えるため、妊娠初期よりも多く必要になります。

・亜鉛
亜鉛は、体の成長に必要な細胞分裂を促す栄養素です。母体が亜鉛不足だと母乳中の亜鉛も減少することに。乳児の皮膚炎のリスクにつながるため、産後も継続して必要な栄養素と言えるでしょう。

・カルシウム
胎児の骨の形成が進む妊娠中期以降は、初期以上に多く必要になるカルシウム。効率良く吸収されるようビタミンDの摂取も意識しましょう。

・マグネシウム
マグネシウムも骨や歯の形成には欠かせない栄養素です。不足すると食欲不振や吐き気などの症状が現れることも。

・ビタミンB2
妊娠中期からは、胎児の成長にともないエネルギーの消費量が増えます。ビタミンB2は炭水化物、脂質、たんぱく質の3つの栄養素をエネルギーに変えるのを助ける働きがあります。

・ビタミンB6
たんぱく質をエネルギーに変える働きを持つビタミンB6。胎児の成長に必要なたんぱく質摂取量も増えるため、より多くのビタミンB6が必要になります。

・ビタミンB12
葉酸とともに、赤血球を作ることをサポート。貧血予防にも効果が期待できます。

・ビタミンC
皮膚や血管、細胞のコラーゲンの合成に必要な栄養素です。不足すると、血管がもろくなることも。鉄の酸化を防ぐ役割もあるので、同時に摂取するのも良いでしょう。鉄の効率的な吸収につながります。

妊娠後期に必要な栄養素

妊娠後期は子宮が大きくなり胃が圧迫されます。これにより、一度に多く食べられないなどの悩みが出てきます。その一方、胎児の急速な成長に対応するため、必要な栄養素の量もこれまでより多くなります。

妊娠後期に必要な栄養素は、初期・中期から引き続き葉酸、鉄分、カルシウム、たんぱく質、食物繊維などです。この時期は妊娠前に比べ、450kcalほど多いエネルギーの摂取が推奨されているため、食事の回数を増やすなどの工夫をしましょう。

妊娠中に摂るべき食材リスト

ここでは、葉酸や鉄分が多く含まれている食材をピックアップしました。毎日の食事にぜひ活用してください。

葉酸を多く含む食材

葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害や早産のリスクを減らせるため、妊娠期間中を通して、意識して摂りたい栄養素です。普段の食事では足りていないことも多く、特に妊活中や妊娠中は2倍の葉酸が推奨されているので、積極的に摂取しましょう。

鉄分が豊富な食材

妊娠中は、栄養素が胎児優先で運ばれることにより貧血リスクが高まります。そのほとんどが鉄欠乏性貧血で、対策のために鉄分の摂取が重要です。なお、鉄分にはヘム鉄(肉や魚に含まれる)と非ヘム鉄(野菜などに含まれる)の2種類があり、一般的にヘム鉄の吸収率のほうが高いと言われています。

妊娠中に避けるべき食品リスト

妊娠中には避けるべき食品があります。詳しく見ていきましょう。

カフェインを含む食品

妊娠中、過剰なカフェイン摂取は、胎児の低体重などにつながる懸念があるため注意が必要です。妊娠がわかったときから授乳が終わるまでは、できるだけカフェインを控えましょう。

カフェインを含む食品は以下の通りです。

・コーヒー、紅茶、緑茶など
・コーラ
・エナジードリンク
・ココア
・チョコレート

アルコールや水銀を含む魚

妊娠中の飲酒は、胎盤を通してアルコールが運ばれ、胎児の発達に悪い影響を与えます。胎児性アルコール症候群(FAS)、胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)、先天性異常、早産・流産のリスクがあるため、少量でもアルコールは控えましょう。

アルコールを含む食材は以下の通りです。

・酒
・漬物
・アルコール入りスイーツ(チョコレート、バターサンド、プリン、チーズケーキ、ラムレーズンなど)
・薬膳の酒
・甘酒(酒粕から作られたもの)
・調味料(未加熱のみりん、日本酒)

また、アルコール以外にも、過剰な水銀の摂取は胎児の成長に影響があり注意が必要です。魚介類に含まれる水銀はメチル水銀という形態がほとんどで、胎児は母体から入った水銀を体の外に出すことができないからです。

メチル水銀濃度の高い魚介類は以下の通りです。

・バンドウイルカ
・コビレゴンドウ
・ツチクジラ
・メカジキ
・クロマグロ(本マグロ)
・メバチ(メバチマグロ)
・キンメダイ

妊娠中の食生活に役立つ簡単レシピ

妊娠中に必要な栄養素を取り入れた簡単に作れるレシピを紹介します。

葉酸たっぷりのサラダ

さまざまな栄養素が摂取できるコブサラダ。彩り豊かなトマトと赤パプリカは、ビタミンやミネラルも摂取でき、見た目も華やかです。市販のサラダチキンを活用すれば、火を使わず簡単に作れます。

<材料>※2人分
・鶏むね肉……約180g
・塩、こしょう……適量
・リーフレタス……2枚
・ミックスビーンズ……50g
・トマト……1/2個
・アボカド……1/2個
・赤パプリカ……1/4個
・ゆで卵……1個
・市販のドレッシングをお好みで

<作り方>
1.鶏むね肉に塩、こしょうを振りかけ、全体をフォークで刺す。
2. フライパンを油で熱し、「1」の鶏むね肉を皮面から焼き、1.5㎝角に切る。
3. トマト、アボカド、赤パプリカ、ゆで卵を1.5㎝角に切る。
4.器にリーフレタスを敷き、「2」の鶏むね肉と「3」の具材、ミックスビーンズを盛り付けドレッシングをかける。

アサリと野菜の鉄分豊富なスープ

必要な栄養がたっぷりのアサリのクラムチャウダーです。アサリの水煮を活用するほか、冷凍ほうれん草やカット野菜などを使えば時短レシピに。妊娠中は薄味を心掛けましょう。

<材料>※1人分
・アサリ……120g ※殻付き、砂抜き済みのもの
・小麦粉……大さじ1
・顆粒コンソメ……小さじ1
・バター……小さじ2
・牛乳……1カップ
・小かぶ……1個
・にんじん……1/2本
・小松菜……1株

<作り方>
1. アサリを砂出しし、水気を拭き取る。
2.「1」のアサリに小麦粉を薄く振りかけてまぶす。
3. 皮をむいた小かぶをくし切りにしておく。
4. 皮をむいて乱切りにしたにんじんを耐熱皿に置き、水(大さじ1程度)を加えラップをして電子レンジ(600W)で約2分加熱する。
5. 小松菜をよく洗い、3cmに切り分ける。これを耐熱皿に入れ、ラップをして電子レンジ(600W)で約1分加熱する。
6.鍋にバターを溶かす。「2」の小かぶ、「4」のにんじん、「1」のアサリを加え炒める。
7.「6」に牛乳とコンソメを加える。煮立ったら「5」の小松菜を加えなじませる。(お好みで)コショウなどで味を調え完成。

妊娠中の食事に関するよくある質問

妊娠中の食事に関して、よくある質問を2つ紹介します。

カフェインはどの程度控えるべき?

妊娠中、カフェイン摂取量は1日200mgから300mg未満が望ましく、コーヒーの場合、マグカップ2杯程度までが目安です。妊娠中期以降はカフェインが体内にとどまる時間が長くなるため、1日の目安をゆっくり楽しむようにしましょう。

妊娠中の飲み物は、ルイボスティー、麦茶、カフェインレスのコーヒーや紅茶、無糖の炭酸水などがおすすめです。

魚は食べても良いの?

魚の種類と量に注意すれば、食べても良いでしょう。妊娠中でも安心して食べられる魚には、サケ、アジ、ツナ缶、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、カツオなど身近なものがたくさんあります。水銀を多く含む魚を食べる場合は、摂食量を1回約80g(刺身1人前か切り身1切れ)として、週に1、2回までを目安にしましょう。

キダイ、マカジキなどは週に2回まで(1回80gとして)、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ(本マグロ)、メバチ(メバチマグロ)などは週に1回80gまでが目安です。

出産に備え、妊娠中の食べ物の注意点と栄養バランスを知っておこう!

妊娠中には、これまで以上に積極的に摂取すると良い栄養素や、逆に注意すべき食材などがあります。この記事を参考に何が良くて何を控えるべきなのかを把握し、健やかな妊娠期間を過ごし出産に備えましょう。

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