2025年9月の野菜価格はどうなる?主要野菜の価格動向と見通し

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舩木 龍一

B!

スーパーで買い物をする際、「少しずつ値段が落ち着いてきた?」「秋にかけてどうなるの?」と気になったことはありませんか?野菜の価格は、夏の猛暑や台風の影響を大きく受けやすく、9月は天候次第で相場が揺れ動く時期です。
特に、献立づくりで栄養バランスを意識する栄養士や、秋の食卓を豊かにしたい主婦にとって、野菜の値動きは生活に直結する関心事です。本記事では、2025年9月の市場価格の現状や、秋本番に向けた今後の見通しをわかりやすく解説し、賢く買い物をするヒントをお届けします。変わりやすい相場に惑わされず、お得に新鮮な野菜を選ぶための参考にしてください。

目次

主要な野菜の価格の見通し(2025年9月編)

農林水産省HPを参考に(「野菜の生育状況及び価格見通し(令和7年9月)について」、 リンク 2025年9月10日閲覧)、2025年9月の主要な野菜の価格の見通しについてまとめました。

だいこん〈主産地:北海道(55%)、青森(31%)〉

9月の価格の見通し:やや平年を上回って推移

理由:北海道産は高温や干ばつで収量が減少し、出荷は少なめの見込み。一方、青森県産は順調。全体では出荷量がやや少なく、価格はやや高めで推移。

にんじん〈主産地:北海道(96%)〉

9月の価格の見通し:
◇9月前半やや平年を上回って推移
◇9月後半:平年並みで推移

理由:高温・干ばつで小ぶり傾向があったが回復中。前半は出荷量やや少なく価格は高め、後半は出荷量・価格とも平年並みへ。

はくさい〈主産地:長野(94%)〉

9月の価格の見通し:
◇9月前半やや平年を上回って推移
◇9月後半:平年並みで推移

理由:7月中下旬の降雨・高温で歩留まり低下。前半は出荷量やや少なく価格は高め。ただし回復傾向で、後半は平年並みへ。

キャベツ〈主産地:群馬(82%)、岩手(11%)〉

9月の価格の見通し:平年並みで推移

理由:群馬は生育順調で大玉傾向、岩手は高温・干ばつで小玉傾向。全体では出荷量・価格とも平年並み。

ほうれん草〈主産地:群馬(44%)、栃木(34%)〉

9月の価格の見通し:やや平年を上回って推移

理由:群馬は概ね順調、栃木は高温で生育不良。全体として出荷量はやや少なく、価格はやや高め。

ねぎ〈主産地:北海道(26%)、秋田(23%)、青森(19%)〉

9月の価格の見通し:平年を上回って推移

理由:高温・干ばつで小ぶり傾向、歩留まり低下。出荷量は平年を下回り、価格は高め。

レタス〈主産地:長野(79%)、群馬(16%)〉

9月の価格の見通し:
◇9月前半:平年を上回って推移
◇9月後半:平年並みで推移

理由:長野は一時歩留まり低下も、その後の適度な雨で回復傾向群馬は高温・干ばつで歩留まり低下。全体として前半は高め、後半は平年並み。

きゅうり〈主産地:福島(29%)、群馬(17%)、埼玉(12%)〉

9月の価格の見通し:やや平年を上回って推移

理由:福島・群馬・埼玉の出荷は増えるが、福島・埼玉は高温・干ばつで生育不良。群馬は順調。全体で出荷量やや少なく、価格はやや高め。

なす〈主産地:群馬(36%)、栃木(24%)、茨城(22%)〉

9月の価格の見通し:やや平年を上回って推移

理由:高温の影響で着果不良・草勢低下。出荷量やや少なく、価格はやや高め。

トマト〈主産地:北海道(19%)、福島(17%)、千葉(14%)、群馬(12%)〉

9月の価格の見通し:平年を上回って推移

理由:北海道・福島・群馬は高温で着果不良・歩留まり低下。一方、千葉は概ね順調。全体で出荷量少なく、価格は高め。

ピーマン〈主産地:岩手(40%)、茨城(35%)、福島(12%)〉

9月の価格の見通し:平年を上回って推移

理由:高温の影響で着果不良・歩留まり低下。出荷量は平年を下回り、価格は高め。

じゃがいも〈主産地:北海道(99%)〉

9月の価格の見通し:平年並みで推移

理由:一部で高温・干ばつにより小玉傾向も、適度な降雨の産地は順調。全体では出荷量・価格とも平年並み。

さといも〈主産地:千葉(66%)、埼玉(24%)〉

9月の価格の見通し:平年並みで推移

理由:千葉に加え埼玉の出荷増。生育は概ね順調で、出荷量・価格とも平年並み。

たまねぎ〈主産地:北海道(97%)〉

9月の価格の見通し:平年並みで推移

理由:高温・干ばつで小玉傾向はあるが、出荷量の大幅減は見込まず。全体として平年並み。

ブロッコリー〈主産地:北海道(65%)、長野(28%)〉

9月の価格の見通し:
◇9月前半やや平年を上回って推移
◇9月後半:平年並みで推移

理由:高温・干ばつで前半は生育不良→出荷量やや少なく価格は高め。作型切り替わりで回復し、後半は平年並みへ。

【価格が上昇している野菜と代替食材】

※価格が上昇している野菜は使用頻度を調整し、代替食材を取り入れるのが節約のポイントです。

【価格が下落している野菜の簡単レシピ】

※今回は平年を下回る見通しの野菜がないため、平年並みの価格で安定している野菜を活用したレシピをご紹介します。

① キャベツのごま塩ナムル

材料(2人分)
・キャベツ … 1/4玉
・ごま油 … 小さじ2
・塩 … 少々
・白ごま … 小さじ1

作り方
1. キャベツをざく切りにして軽く塩ゆでし、水気を切る。
2. ごま油と塩で和え、仕上げに白ごまをふる。
💡火を使わずレンジ加熱でもOK。お弁当の副菜にもおすすめ。

② じゃがいもとたまねぎの味噌バター炒め

材料(2人分)
・じゃがいも … 2個
・たまねぎ … 1/2個
・バター … 10g
・味噌 … 小さじ2
・みりん … 小さじ1

作り方
1. じゃがいもは薄切り、たまねぎはくし形に切る。
2. フライパンにバターを熱し、じゃがいも・たまねぎを炒める。
3. 火が通ったら味噌とみりんを加え、全体に絡める。
💡ごはんのおかずにも、お酒のおつまみにもぴったり。

③ さといものとろみスープ

材料(2人分)
・さといも … 中3個
・だし汁 … 400ml
・しょうゆ … 小さじ2
・塩 … 少々
・片栗粉 … 小さじ2(水小さじ2で溶く)

作り方
1. さといもの皮をむき、一口大に切る。
2. 鍋にだし汁を入れ、さといもを煮る。
3. 柔らかくなったらしょうゆ・塩で味をととのえ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
💡体が温まるやさしい味で、離乳食アレンジや介護食にも応用可。

賢く選んで秋野菜をおいしく取り入れよう

2025年9月は、夏の高温や干ばつの影響を受けつつも、産地によっては生育が回復し、価格はおおむね安定傾向にあります。やや高値の野菜は代替食材を取り入れ、平年並みの野菜は上手に使い回すことで家計を支えましょう。
日々の食卓に旬の秋野菜を取り入れながら、栄養バランスと節約を両立してみてください。
これからも最新の価格動向や調理アイデアを活用し、無理なく続けられる豊かな食生活を楽しんでいきましょう。

参考文献

過去の野菜の動向と見通し

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