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舩木 龍一
世界のユニークな食文化や美味しい料理をご紹介する「世界食文化紀行」。第4回目となる今回は、アフリカ大陸の北西端に位置する神秘と情熱の国「モロッコ」にスポットを当てます!
青い街シャウエンや広大なサハラ砂漠で知られるモロッコですが、実はヨーロッパ・中東・アフリカの文化が交差する、世界でも屈指のグルメ大国であることをご存知でしょうか?
独特の三角形の蓋をした「タジン鍋」や、世界最小のパスタ「クスクス」など、魅力的な料理がたくさんあります。
今回は、知られざるモロッコ食文化の歴史や特徴、栄養面での知恵から、日本のスーパーで買える食材で作れる本格レシピまで、食のプロの視点から分かりやすく解説します!
モロッコ料理は、先住民族ベルベル人の伝統をベースに、アラブや地中海(スペイン・フランスなど)の食文化が見事に融合して発展してきました。その美味しさと健康的価値には3つのポイントがあります。
水が貴重な乾燥地域で生まれた「タジン鍋」は、食材の水分だけでじっくり蒸し煮にする先人の知恵が詰まった調理器具です。水溶性のビタミンやミネラルが溶け出したスープも一緒に摂取できるため、栄養を逃さず旨味がぎゅっと凝縮されます。
モロッコ料理では、クミン、パプリカ、コリアンダー、サフラン、シナモンなどのスパイスが贅沢に使われます。辛いと思われがちですが、モロッコ料理のスパイス使いは香りとコクを引き出すためのものです。スパイスやフレッシュハーブを活用することで、塩分控えめでも満足感のある味わいに仕上がります。
モロッコの主食の一つである「クスクス」は、デュラムセモリナ粉から作られる世界最小のパスタです。お米に比べてタンパク質やビタミンB群が豊富に含まれています。また、地中海気候の恵みを受けたオリーブやオリーブオイル、ナツメヤシ(デーツ)などのドライフルーツも日常的に食べられており、高い抗酸化作用や食物繊維が日々の健康を支えています。
世界の食文化を体験する一番の近道は、実際に作って食べてみることですよね。ここでは、専用のタジン鍋がなくても、普通の鍋やフライパンで作れる、モロッコの定番レシピを2つご紹介します。
レモンの酸味とクミンの香りが食欲をそそる、モロッコ家庭料理の定番です。ビタミンCとタンパク質がしっかり摂れるヘルシーな一品。
<合わせスパイス>
植物性タンパク質と食物繊維がたっぷりと摂れる、モロッコでおふくろの味として愛されている栄養満点スープです。
<スパイス>
最後に、モロッコの食卓と生活に欠かせないおもてなしの知恵をご紹介します。
モロッコは「ミントティー(アターイ)」を日常的に飲むお茶文化の国です。緑茶ベースの茶葉に、フレッシュなスペアミントの葉をたっぷり入れ、砂糖を加えて甘く仕立てます。高い位置から細く注ぎ入れて表面を泡立てるのがモロッコ流です。
モロッコでは、家にゲストを迎えた時や商談の場、家族団らんのひとときに、必ずこの温かいミントティーが振る舞われます。
ミントの爽快感はリフレッシュ効果や消化促進に役立ち、たっぷりの砂糖はエネルギー補給の役割を果たしています。「大切な人と一緒にお茶を楽しみ、心を通わせる時間」を何より重んじるモロッコの人々の文化は、多忙な現代を生きる私たちにとっても、大切な優しさを思い出させてくれます。
いかがでしたでしょうか?
モロッコ食文化の魅力は、「素材の栄養と旨味を引き出す調理の知恵」、「スパイスを活かした体想いの味付け」、特におもてなしの心にあります。
品数をたくさん作らなくても、ハーブやスパイスを少し取り入れた温かいスープや蒸し煮料理がひとつあれば、心も体も満足する健やかな食卓になります。
皆さんもぜひ、今夜はフライパンで本格タジンを作って、おうちでエキゾチックなモロッコの風を感じてみませんか?
次回の世界食文化紀行もお楽しみに!
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